われわれは長年、本当の意味でワイヤレスで使える電源の登場を待ちわびていた。電力を無線で伝送する技術自体はあるものの、大半の製品ではいまだに送電側と受電側の部品を物理的に接触させる必要がある。今回、ワイヤレステクノロジー企業のReasonanceが、初の「本当にワイヤレスなテレビ」を「CES 2021」に登場させた。コードを通すためにドリルで穴を開ける必要はない。
Reasonanceはオンライン開催となったCES 2021で、磁気共鳴を「高度なレベルで実現したもの」だとする無線給電方式を用いた40型テレビを披露している。このテレビは壁掛けが可能で、送電装置をテレビ台に置いたまま、120Wの電源供給を受けられる。
デモ機ではバックパネルに受電コイルが取り付けられており(量産品では内蔵されるだろう)、送電システムはテレビの下、50cmほど離れたところで床と水平に置かれていた。Reasonanceによると、送電システムは壁や家具に組み込むこともできるという。
同社はまた、コイルのずれを心配することなくテレビを移動できるほか、ほかの既存のワイヤレス電力ソリューションと比べて80~90%コスト効率が高いとしている。この技術はすでに特許を取得して実用化が可能な段階にあり、電気自動車、ドローン、ロボット、ウェアラブルデバイスなど、さらに大きなデバイスにも利用できるとのことだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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