新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策や緊急事態宣言の発出を理由にして、外出を控える人は多いだろう。そのため、ネットスーパーやオンライン販売モールなどの利用者が増えた。
自宅にいながら買い物できる点は便利だが、商品を見つけにくかったり、掲載されている商品情報が不十分だったりして、品物選びに困ることがよくある。チャットでリアルタイムに質問できる通販サイトであっても、文字情報だけだと質問も回答も意図を伝えにくく難しい。
これに対しAppleは、CGを利用し、仮想的な販売員が商品を説明してくれる通販サイト向けシステムを考案。このシステムの実現に必要な技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間1月7日に「GUIDED RETAIL EXPERIENCE」(公開特許番号「US 2021/0004137 A1」)として公開された。出願日は2020年6月18日。
この特許は、コンピューターで生成した映像による通販サービスを提供する際、仮想的なオブジェクトに商品説明させる技術を説明したもの。オブジェクトが説明するだけでなく、サービス利用者とリアルタイムにやり取りしつつ、そのやり取りに応じた動きをすることで、実際の店舗で商品選びをするような感覚で利用できるという。
商品説明を担当する仮想オブジェクトについて、クレーム(請求項)では単に「virtual object」となっている。そのため、店員風オブジェクトに限らず、動物のようなキャラクターが説明するようなシステムも実現可能だ。ただし、実施例の説明では「salesperson」としており、人間の姿をした店員を映像として提供することを想定している。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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