完全オンラインで開催される2021年のCESは、関係者全員にとって厳しいものになるだろうが、ロボットにとっては、さらに難しいものになるかもしれない。
ロボットは、文字や動画でも人々の関心を引くことはできるが、見事な第一印象を与えたいのであれば、何ができるのかを直接示すのが一番効果的だ。そして、CESで出会うロボットたちは、いつも感銘を与えてくれる。
筆者は幼い頃からロボットに魅了されてきた。もし過去に戻って、この数年間にラスベガスの展示会場で出会ってきたロボットたちの話をあの頃の自分に伝えることができたら、幼い自分は驚愕するだろう。筆者は、ロボットたちと卓球やカードゲームの「Cards Against Humanity」を楽しんだり、ロボットにピザを作ってもらったりした。2020年のCESでは、いびきをかくラブラドールの子犬ロボットに出会った。あまりにもリアルだったので、家に連れて帰って、ペットの猫と同じようにかわいがりたくなったほどだ。
2021年のCES 2021は、これまでと大きく違ったものになるだろう。完全なオンラインイベントとして開催されるので、会場で来場者に会う機会はない。各々の機能を世界に披露する準備が整ったすべてのロボットも、オンラインでそれをやらなければならない。だからといって、ロボットの能力を確かめられる興奮が薄れるわけではないが、モニター上の「Zoom」フィードを通してロボットの動きを見ることになるので、インパクトは弱まるだろう。
以下で、われわれが楽しみにしているロボットたちを紹介していこう。
2020年が何かを教えてくれたとしたら、それは公衆衛生や衛生習慣が人々の安全を守る鍵であるということだ。また、人の安全を守るためには、テクノロジーに任せた方が良い仕事もあるかもしれない、ということも示してくれた。
新型コロナウイルスが依然として世界中で流行していることを考えると、2021年のCESで、いくつかの企業がさまざまなモノの表面を消毒できるロボットを披露しようとしているのは、驚くに当たらないだろう。
そうしたロボットの1つが「Coro-Bot」だ。Coro-Botは、韓国のHills Engineeringが開発した「ウイルス対策消毒ロボット」である。自動運転機能を備えているため、さまざまな環境内を独力で移動できる。柔軟なアームを使用して、除菌が必要な場所を特定し、紫外線を使用してそれらの場所を消毒する。同社によると、空気循環装置も搭載しており、遠赤外線セラミックフィルターを使用して空気中のコロナウイルスやそのほかのウイルスを殺すことができるという。コロナウイルスを完全に排除することが不可欠な病院などの環境でこうしたロボットが使用されることは、容易に想像できるだろう。
LGも、これと似たロボットの開発に取り組んでおり、CESで披露する予定だ。このロボットは紫外線を放射して、接触や往来の多い場所を消毒する。Coro-Botと同様、自律的に移動することが可能なので、家具を避けながら動き、部屋全体を消毒することができる。接客サービス業や教育、企業、小売店、レストラン、交通機関向けに設計されている。
LG Business Solutions USAのバイスプレジデントのMichael Kosla氏は、「LGの自律型UVロボットが有害な細菌や病原菌への曝露を軽減してくれるので、ホテルの宿泊客も、教室の学生も、レストランなどの店舗の客も、安心できるだろう」とコメントした。
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