英政府は現地時間12月15日、長く待ち望まれていた規制案「Online Harms」(オンラインの有害情報)について公表した。この法案は、ソーシャルメディアなどの「説明責任の新たな時代」に、ネットユーザーの安全を確保するようテクノロジー企業に義務づけるものだ。規則に違反した企業は、最大1800万ポンド(約25億円)または世界年間売上高の10%のいずれかで高額となる制裁金を科される。従わなければ英国でサービスが停止される可能性がある。また、この規制では上級幹部に刑罰を科すことも可能になる。
Oliver Dowdenデジタル・文化・メディア・スポーツ担当相とPriti Patel内相が15日、この法案について発表した。政府は、児童の安全確保が法案の核心だとしており、オンライン企業はユーザーへの法的な注意義務が課されることになる。政府は、今回の提案を2021年に「Online Safety Bill」(オンライン安全法案)で議会に提出する計画だ。
英政府がオンラインの有害情報と呼ぶものを取り締まる背景には、多くの主要国でテクノロジー企業に変化を迫る規制を成立させている現状がある。15日には欧州連合(EU)も、2つの規制案「デジタルサービス法」と「デジタル市場法」を発表した。米国は反トラスト法(独占禁止法)違反でGoogleとFacebookを調査しているほか、テクノロジー企業を完全に分割する案についても検討を進めている。
この規則は、ソーシャルメディアプラットフォームのほか、検索エンジン、動画共有プラットフォーム、インスタントメッセージングプラットフォーム、オンラインフォーラム、デートアプリ、商用ポルノサイト、オンラインマーケットプレース、P2Pサービス、コンシューマー向けクラウドストレージ、オンライン交流が可能なビデオゲームなどに適用される。オンラインニュースサイトやそのコメントセクションには適用されない。
Twitterは、オンラインで人々の安全を維持することに尽力しているとし、規則を支持すると述べた。Facebookは、有害なコンテンツをインターネットから除外するための規則は必要だとし、政府との議論を続けることを期待していると述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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