Googleの最高経営責任者(CEO)Sundar Pichai氏は米国時間12月9日、同社を離れた高名な人工知能(AI)研究者、Timnit Gebru氏の離職時の対応について謝罪したようだ。
従業員に送られた社内のメッセージとして、Axiosがその内容を公開している。Pichai氏はこの中で、Gebru氏の離職を巡る状況について調査すると述べている。この件は、Googleの従業員やテック業界で反発を招いた。Pichai氏は、同社が今後設けるべき新しいプロセスを検討するとしている。
Pichai氏はこのメールの中で、「Gebru博士の退社に反発する声は私の耳にもしっかりと届いている。退社をきっかけに不信感が広がり、Google社内に自分の職場について疑問視する人まで出ている」とした。「そのことについて心からお詫びしたい。みなさんの信頼を取り戻すために取り組む責任は私にある」(Pichai氏)
Gebru氏は先週、Googleを去る前に、共同執筆した論文が同社のAIシステムに批判的な内容だったことをめぐり、対立があったことを明らかにしていた。Gebru氏は一連のツイートで解雇されたとしているが、Googleは同氏が自ら辞職したと主張している。Gebru氏はこの主張を否定し、辞職願を出していないが、上司はGebru氏の直属の部下らに対し、同氏が辞めるとするメールを送ったと説明した。
Pichai氏は、AI分野の数少ない著名な黒人女性研究者であるGebru氏が「不快な気持ち」で同社を離れたことについてGoogleは「責任を受け入れる」必要があると述べた。しかし、Gebru氏への謝罪はなく、復職の可能性にも言及していない。
GoogleはPichai氏の電子メールの内容以上のコメントを控えた。米CNETはGebru氏にコメントを求めたが、回答を得られていない。同氏はこのメールに言及しているとみられる内容をツイートしている。同氏はGoogleに対し、「私のような人間にハラスメントと差別を行い有害な側を守る、有害な上層部、人事部、法務部などの部門について責任を取りなさい」としている。
Gebru氏をめぐる今回の出来事で、経営陣と一部の一般従業員の間の緊張は一層高まった。Gebru氏が離職についてツイートした同日にも、Googleは、同社への抗議行動を組織した労働者に報復したとして、全米労働関係委員会(NLRB)に告発された。NLRBは告発状の中で、Googleは活動を行う従業員を監視、尋問、解雇し、米国の労働法に違反していると主張した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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