中国ハイテク大手の華為技術(ファーウェイ)と人工知能を手掛ける曠視科技(メグビー)が、中国のウイグル人イスラム教徒を検出するとアラートを発する顔認識ソフトウェアを開発・試験運用していたことが、社内文書で明らかになった。
IPVMが入手したある社内文書によると、ファーウェイは2018年1月に、メグビーの顔認識技術「Face++」を自社のカメラネットワークでテストし、人々の年齢、性別、人種を認識するその能力に合格点を付けていたという。また同文書には、中国国内で弾圧されている少数民族ウイグル人を特定するために特別に設計された「Uyghur Alarm」についても、テストで合格点が付いたことが明記されている。
中国政府は、顔認識を含む複数の監視技術を使用して、さまざまな方法でウイグル人イスラム教徒を弾圧している。同政府は推定100万人のウイグル人イスラム教徒を拘束するなどしており、米国の連邦議会議員らは中国政府によるこうした行為を「少数民族に対する今日の世界で最大規模の大量投獄」と表現している。
中国のハイテク企業各社は、そうした政府の行為を支援している。顔認識、監視カメラ、音声認識のすべてが、同国でのウイグル人イスラム教徒の追跡と特定に使われている。そのため、米商務省は2019年10月、少数民族に対する人権侵犯に加担しているとして、中国企業8社を輸出規制リストに追加していた。
ファーウェイとメグビーによるテストの詳細が記された今回の文書は、極秘扱いの資料と記載されている。IPVMはこれがファーウェイの欧州ウェブサイトに公開されているのを見つけて報道。ただし同文書はその後ウェブから削除された。
今回の報道に対して、ファーウェイは「このレポートは、単なるテストの結果であり、この技術は実際には適用されていない。ファーウェイは、この種のテストに対して汎用製品を供給しているだけ。われわれは、カスタムメイドのアルゴリズムやアプリケーションは提供していない」とする声明を発表している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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