楽天は11月16日、米国の資産運用会社Kohlberg Kravis Roberts(KKR)と、ウォルマート・インクが保有する西友の株式について、KKRが65%、楽天が新たに設立する子会社が20%の株式を取得することで合意したと発表した。
同取引における企業価値は1725億円(約16億米ドル)となる。また、ウォルマートは西友株式15%を継続保有する。同取引により西友は日本で意思決定が可能となり、さらには新たな株主が持つ専門性を活用しながらイノベーションを進め、顧客や取引先が恩恵を享受できるようなDXを一段と加速できるようになるとしている。
両社の西友への出資を通じて、デジタルチャネル投資の加速化によるアプリを利用した買い物・決済・配達の実現、新たなキャッシュレス決済の導入、オンラインとオフライン(実店舗)を融合させたサービス体験の向上、消費者のニーズを先取りしたエブリデー・ロー・プライス(毎日低価格)商品群の拡充といった4つの施策を挙げている。
同社とウォルマートでは既に、戦略的提携のもと同社と西友の合弁会社を通じてネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を協働で運営。米国においても、電子書籍サービス「楽天Kobo」の展開において協業している。今回の取引もその一環であり、2021年1月に設立予定の新会社「楽天DXソリューション(仮)」を通じて、保有する1億以上の会員基盤やテクノロジーを活用。西友を含む日本の小売業のDX推進を支援するという。
またKKRでは、同社が抱えるアドバイザー、ポートフォリオ企業、専門家のネットワークを活用しながら、西友に対しても業界のベストプラクティスおよび、オペレーション改善にかかる知見を投入。小売りビジネスのトランスフォメーションと価値創造を支援する。
西友は、2019年に意欲的な成長戦略を掲げ、顧客へのさらなる価値の提供、生鮮へのこだわり、オンラインとオフラインを融合した利便性強化に注力している。既に、市場シェア、顧客満足度、アソシエイト(従業員)満足度、業績など、ビジネスおよび、財務に関する主要指標で目標を達成し、一部は目標超えを実現しているという。
今後は、株主3社がそれぞれの強みを投入することで西友がこれまで推進してきた戦略実行を加速化させ、日本を代表するOMOリテーラーとなるための取り組みを後押しする。
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