Microsoftが11月10日に国内発売したゲーム機「Xbox Series X」。10月28日付の記事で外箱や開封した本体を、11月5日付の記事でセッティングの様子を掲載した。今回は本体が到着して以降、実際に触ってみて感じたことなどを書いていきたい。
発売に先駆け「Xbox Series X」開封の儀--まさにボックスと言える本体に
「Xbox Series X」開封後からセットアップまでを写真で紹介--Xboxアプリを活用
Xbox Series Xは、同社が展開しているゲーム機「Xbox」シリーズの最新ハード。Xbox Series XはXbox史上最も高性能なコンソール機とうたっている。4K/120fpsでのゲームプレイやゲーム読み込み速度の大幅向上などを特徴としている。あわせて、Xbox史上最小のディスクレスタイプで、次世代のゲーミング体験が楽しめる「Xbox Series S」も同日に発売した。
すでに公開されているように、Xbox Series Xの本体はボックスと言えるような形状。これまでの据え置き型ゲーム機本体のイメージよりも、小型のデスクトップPCやセットトップボックスなどに近いもの。縦置きにも横置きにも対応している。その形状から、縦置きでもアクセサリーなどはなくとも安定するのはメリットだろう。ただ、排熱処理を考えると置き場所には多少なりとも考慮したほうがいいと考える。
そして気になるポイントのひとつである駆動音やファンの音について。本体は、排熱の穴から見えるぐらいに、大型のファンが搭載されている。それゆえにファンの音も大きくなるのでは……というイメージになりがちだが、驚くほど静かだった。ゲームプレイ中でも駆動音やファンの音が大きくなるようなことはなく、まったく気にならないものとなっていた。
コントローラーについては、トリガーやグリップの一部分に、いわゆる“ザラザラ”としているようなグリップ加工が施されており、滑りにくいようになっている。そして、シェアボタンも搭載されており、スクリーンショットやキャプチャが手軽に行えるようになっている。ちなみにスクリーンショットやキャプチャはゲーム内のみで、メニュー画面などでは使用できないようになっている。
ゲームタイトルについては、「Optimized for Xbox Series X|S」と題し、Xbox Series XとXbox Series Sに最適化を行うタイトルもある。それらはロード時間の短縮や強化されたビジュアル、最大120fpsのより安定したフレームレートを実現するものとうたっている。最適化は順次行われていく予定で、そのリストも公式サイトに公開されている。
最適化されたタイトルも事前にいくつか提供され「Gears 5」や「Gears Tactics」といった、重厚なグラフィックで描かれているタイトルもプレイ。120fpsに対応したモニターが無かったため、その点については言及できないが、ロード時間について長いという印象は持たず、総じて速いと感じられるものとなっていた。滑らかな動きとグラフィック、そして安定かつ快適な動作でゲームプレイを楽しめると思えた。
新機能である「クイックレジューム」も気になるポイント。あるゲームから別のゲームに切り替えると、そのゲームの状態を保存。いつでも中断や再開ができる機能となっており、複数のゲームをザッピングするかのように切り替えてプレイすることができる。筆者が試して時間を計った範囲のなかでは、Xbox Series Sに最適化されたタイトルで、おおむね8秒前後といったところ。ゲームをイチから立ち上げ直すより、はるかに速いことは間違いない。
ゲームについて、初代Xbox、Xbox 360、Xbox OneタイトルがXbox Series Sでプレイできる後方互換も特徴。もちろん全てではなく対応しているものに限られるが、デジタル版(ダウンロード版)で購入していたものは、再度ダウンロードするだけでプレイ可能。ディスク版(パッケージ版)は、そのディスクが必要となる。対応タイトルのリストも公式サイトに記載されている。このほか、100以上のゲームが定額制でプレイできる「Xbox Game Pass」も用意されており、本体を購入してもプレイできるゲームに乏しいという状況にはなりにくい。
ゲーム以外の部分に目を向けると、Ultra HD Blu-rayに対応する光学ドライブを搭載。映像作品の鑑賞も可能となっている。メディアプレーヤーアプリのインストールが必要となっており、初めて映像作品のディスクを入れるとインストールが促される。このほかYouTubeやNetflix、Amazon Prime Video、DAZNなどの映像配信サービスのアプリも用意されている。
実は筆者がXboxシリーズのゲーム機を所有しているのは、2世代前のXbox 360のみ。ひとつ前となるXbox Oneは所有しておらずほとんど触っていなかったため、それとの比較はできないが、Xbox Series Sを触って素直に感じたのは、起動やロード、動作の速さということに尽きるだろう。他の据え置き型ゲーム機は触れていたため、昨今のハイエンドゲームを全く知らないというわけではなく、重厚なゲームほどロードに時間がかかるということも体感していただけに、それに匹敵するタイトルできびきび動作するというのは、ゲーム体験としてプラスアルファのメリットがある。駆動音やファンの音が小さいというのも加えられるだろう。
また余談にもなるが、後方互換も嬉しかったところ。Xbox 360のデジタル版で購入したタイトルは記憶が薄かったこともあり、思いがけぬ再会という感覚にもなった。前述したように対応リスト自体は公開されているが、筆者の購入していた範囲のなかでもよくプレイしていた「ソウルキャリバー」「ガーディアンヒーローズ」「レイディアントシルバーガン」「Trials HD」「斑鳩 IKARUGA」「トリガーハート エグゼリカ」「Every Extend Extra Extreme」といったあたりが対応しており、作業に合間に懐かしさを感じながらプレイをしていた。
Xbox Oneを保有しているユーザーではなく、1世代分の間が空いているという、ちょっと変わった立ち位置ではあるが、それゆえにプレイしたタイトルどれも新鮮といったことや懐かしさもあって楽しめたところは多分にあった。一方で、体験したタイトルは発売前ということもあり、最適化に対応したもの。そして現状のラインアップもおおむねそのように思われる。Xbox Series Xの性能ありきで開発されたゲームを楽しみにしたいという気持ちもあるが、その登場は少し先のものと推察される。あわせて、その性能を発揮するモニターやテレビといった環境面が、もう少し手ごろなところで整えられるような状況になれば、と思うところもあり、その観点からいけば、Xbox Series Xは“これから”と思わせるゲーム機だと感じられた次第だ。
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