信州大学発のベンチャーAssistMotionは10月28日、生活動作支援ロボッティックウェア「curara(クララ)」のプレビュー版を披露し、ケイエスピーとラックの2社より、あわせて6000万円の出資を取り付けたことを発表した。出資企業の2社からベンチャー事業とIT技術分野で支援を受け、2021年夏頃にcuraraの商品化を目指すという。
curaraは、「衣服感覚で利用できる、人にやさしい“着るロボット”」というコンセプトで開発された生活動作支援ロボティクス。信州大学繊維学部発のベンチャーAssistMotionが、2008年から開発を進め、今回製品版の一歩手前となるプレビュー版の開発に至ったとする。
curaraの特徴は、非外骨格型構造を採用し、モーターを関節部に備えた点だ。力検出センサにより、人の動きを検知し、神経振動子を用いた制御を行うため、動きやすいとする。
AssistMotion 代表取締役の橋本稔氏はcuraraの制御について、「ロボットは人の動きを理解した上でアシストする必要がある。curaraはモーターの中に力を検出するセンサーが入っている。人が足を動かす力がモーターに伝わり、センサーの検出に基づいてモーターを制御する。人には、外部の動きに合わせるという機能がある。われわれが2人三脚をして他の人と合わせられるのは相手の動きに合わせる機能があるから。この機能は人の脊髄にある中枢パターン生成器という神経回路網で実現されてるといわれている。この神経回路網の入出力を数学モデルであらわしたものを神経振動子と呼び、ロボットの動きの制御に使う」と説明した。
curaraは人の動きに合わせられるため、無理に動かされる感じがなく、自然な動きができるという。膝関節、股関節をサポートするため、椅子の着座や起立、階段などでは膝が上げやすいとする。このほか、軽量で装着しやすいという特徴も備える。
橋本氏は、外骨格構造型のロボットとの棲み分けについて「curaraは自分の脚で立てるという状況が前提。自分の脚で立てて、脚を前に出せるという人はcurara。一方、外骨格構造型の場合は、ロボットが人を支えるので、自分で立てない場合もアシストできる」としている。
本体重量は約4.5kg、連続駆動時間は約1時間。専用バッテリーは腰部分のケースにセットする。バッテリーを複数用意すれ付け替えられるため、1時間以上の使用が可能。装着時はモーターと関節の位置を合わせた後、ベロクロで固定してダイヤルで調整する仕組み。装着時間は「慣れれば1分程度」としている。
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