ソフトバンク、5Gの無制限プランを近日中に発表へ--宮内社長「やはりiPhoneは凄い力」

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 ソフトバンクは11月4日、2021年3月期第2四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比2.3%増の2兆4284億円、営業利益は前年同期比6.8%増の5896億円と、増収増益の決算となった。

 同日に実施され決算説明会でソフトバンク代表取締役社長執行役員 兼 CEOの宮内謙氏は、増収増益を継続できている理由について、「上場から2年間で事業を多様化できた」ことを挙げた。法人事業の強化に加えて、2019年にはZホールディングスの子会社化やZOZOの買収を実施するなど、インターネットを主体とした非通信関連の事業の強化も進めたことで「ICTトップ企業の集合体に進化した」と説明した。

決算説明会に登壇するソフトバンクの宮内氏
決算説明会に登壇するソフトバンクの宮内氏

 今四半期の業績をけん引しているのはヤフーと法人関連事業の好調によるもの。通信を主体とした主力のコンシューマ事業は、端末販売の減少によって売上高は前年同期比2.6%減の1兆3013億円と減少しており、2つの事業がそれを補う形で増収増益の達成に至ったようだ。

 ヤフー事業はeコマースの取扱高が前年同期比26%増と好調に推移したことで、売上高と営業利益が前年同期比でそれぞれ15%、30%と大幅な伸びを示しているという。また法人事業に関しては、テレワーク需要の高まりなどでソリューションなどの事業が堅調なことから、営業利益が前年同期比18%増となるなど好調が続いているとのことだ。

主力のコンシューマ事業の売上は減少したものの、それをヤフーや法人事業の好調が支える形で増収増益を実現している
主力のコンシューマ事業の売上は減少したものの、それをヤフーや法人事業の好調が支える形で増収増益を実現している

総務省のアクションプランへの対応策を説明

 宮内氏はコンシューマ事業の成長戦略、さらには菅政権が求める通信料引き下げの影響や取り組みなどについて言及。2019年の改正電気通信事業法で通信と端末が分離されたことを受け、同社ではコンシューマ事業を純粋なモバイル通信料のビジネスと、付加サービスのビジネスに分割して評価するようにしたと宮内氏は説明する。

 その結果、通信料ビジネスが占める割合は売上高、利益ともに年々減少しており、2015年から比べると売上高では45%から29%、営業利益では56%から38%にまで減少しているとのこと。通信料収入が占める割合が減少しても増収増益を達成していることから、料金が引き下げられても業績に非常に大きな影響を与えるわけではないことをアピールした。

事業の多様化によってコンシューマ事業におけるモバイル通信料の比率は年々低下しており、携帯電話料金引き下げが売上・利益の大幅減につながる訳ではないと説明
事業の多様化によってコンシューマ事業におけるモバイル通信料の比率は年々低下しており、携帯電話料金引き下げが売上・利益の大幅減につながる訳ではないと説明

 その上で、総務省が10月27日に公表した「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」を受けて打ち出した、2つの施策について改めて説明。1つはワイモバイルブランドで新たに導入した通信量20GBの料金プラン「シンプル20」であり、宮内氏はこのプランがソフトバンクの「ピタットプラン」(通信量50GB)と、ワイモバイルの「スマホベーシックプランM」(通信量10GB)の間に入る、真ん中のプランであると評価していた。

ワイモバイルブランド向けに投入した「シンプル20」。通信量20GBで1回10分の定額通話が付いて、月額4480円で利用できるプランとなる
ワイモバイルブランド向けに投入した「シンプル20」。通信量20GBで1回10分の定額通話が付いて、月額4480円で利用できるプランとなる

 そしてもう1つは、番号ポータビリティ(MNP)の転出手数料を0円にしたこと。宮内氏によると「電話でも店頭でも手数はかかるので、本来ならば(手数料は)1000円くらいいただいてもいいと思っていたが、区分けが難しいだろうと社内で議論になり、思い切ってすべて0円にした方がいいとなった」とのこと。結果的にウェブだけでなく、すべてのMNP手続きにおける転出手数料を無料にすることになったと話している。

MNPでの転出手数料も無料化。Webだけでなく、店頭や電話での受付時も無料にするとしている
MNPでの転出手数料も無料化。Webだけでなく、店頭や電話での受付時も無料にするとしている

 ソフトバンクでは、これまで実施してきた料金施策や、ワイモバイル、LINEモバイルなどを活用したマルチブランド戦略でユーザー1人当たりの単価が下がっており、主要回線の割引前ARPUは5年で2割減少しているという。一方でスマートフォンの累計契約者数はどのブランドも増えており、トータルで1.5倍、ワイモバイルは5年で5倍にまで伸びていると宮内氏は説明する。

 シンプル20の投入で減収を懸念する声も出ているが、「ARPUが若干落ちても契約者数が増えることで増収を達成してきた」と宮内氏は説明。低価格のブランドを活用した契約の拡大によってスマートフォン累計契約者数を現在の2500万から、2023年度までに3000万に増やすことで、業績拡大につなげるとしている。

主要回線の割引前ARPUは5年で2割減少する一方、スマートフォン累計契約数は5年で1.5倍に増えており、契約数が増える形で業績を伸ばす要因になっているという
主要回線の割引前ARPUは5年で2割減少する一方、スマートフォン累計契約数は5年で1.5倍に増えており、契約数が増える形で業績を伸ばす要因になっているという

 また宮内氏は、アクションプランで触れられていたeKYC(電子本人確認)やeSIM(組み込み型SIM)についても言及。eSIMはオンラインでの契約がより簡単にできることが期待されているが、「eKYCはワイモバイルで2020年9月から始めている」とも説明。SIMを大量に使用してポイントを大量に取得、現金化する不正事件が最近発生したことを例に挙げ、宮内氏は「eSIMも当然前向きに考えているが、eKYCがないと危険」と、eKYCとセットでの提供が必須との考えを示した。

5Gには積極投資、ドコモ子会社化には強く警戒

 さらに宮内氏は、5Gや6Gなど次世代のネットワークに関しても説明。ボーダフォンの日本法人を買収してから14年間で累計5兆円の設備投資をかけ、通信品質で高い評価が得られるようになったことから、今後10年間で5G・6Gのネットワーク整備に2.2兆円を投資する予定であることを明らかにした。

 続けて、同社代表取締役副社長執行役員 兼 CTOの宮川潤一氏が、設備投資の詳細について説明。5Gの基地局数は2021年度に5万局、さらに今後5年間を目途に20万局を立ち上げるが、LTEでのトラフィック増加を経験した身として「ネットワークを作る側からすると、5Gは破壊力がある」と宮川氏は話す。それを考慮した上で顧客に快適なサービスを提供するには、現在のLTEの23万局よりも多くの基地局、具体的には10年間で35万局の設置が必要と計算しているとのことだ。

5G・6Gへの投資は今後10年間で2.2兆円を予定。基地局整備だけでなく、成層圏から通信をカバーする「HAPS」も10年後の本格事業化に向け投資を進めていくという
5G・6Gへの投資は今後10年間で2.2兆円を予定。基地局整備だけでなく、成層圏から通信をカバーする「HAPS」も10年後の本格事業化に向け投資を進めていくという

 ちなみに5G対応iPhone 12の販売について、宮内氏は「やはりiPhoneは凄い力」と、他の5G対応スマートフォンと比べても販売が好調な様子を示していた。5G対応のiPhoneと低価格の5G対応Android端末の投入で、「この調子でいくと5Gの普及は大きく動き出すと思っている」と宮内氏は話す。

 また宮内氏は、5Gの新たな料金プランについて、大容量通信のニーズが大きいソフトバンクブランドで、近いうちに新しいプランを発表することを明らかにした。その内容について「5Gの無制限を使いやすい形でやる」と話しており、無制限プランとなる可能性が高い。一方でソフトバンクブランドでの料金引き下げについては、「考えていない」と否定した。

 なお宮内氏は今回の決算説明会で、NTTがNTTドコモを完全子会社化するとしたことにも言及し、「驚いた。28年前に電電公社から分離して以降、分離が前提となっていただけに、完全一体化していいものか」と懸念を示していた。特に固定通信で圧倒的優位な立場にあるNTT東日本・NTT西日本の連携などについては強い警戒感を持っているようで、公正競争の確保に向け今後議論が必要との認識を示した。

 一方で、「今まで自由闊達にやってきたNTTドコモが、NTTグループ全体の中でやることは、プラスとマイナス両方(の要素が)あると思う」とも話しており、現時点では経営に大きなインパクトはないと判断しているようだ。

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