「iPhone 12 Pro」はLiDARセンサーで「人との距離」を知らせてくれるようになる - (page 2)

Shara Tibken (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年11月05日 07時30分

 Appleは、以前からアクセシビリティーに注力してきた。低視力のユーザーでもiPhoneのタッチスクリーンを操作しやすくなる機能や、運動障害をもつ人がインターフェース上のアイコンを仮想的にタップできる機能などが、Appleのテクノロジーには組み込まれている。2016年の大々的な製品発表イベントでは、その冒頭をアクセシビリティーに関する話で飾り、アクセシビリティー専用の新サイト立ち上げを公表した。

 このとき、Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏は、「テクノロジーは、誰でも利用できるものでなければならない」と語っている。

 なかでもAppleは、全盲または低視力の人を補助する機能を長年開発してきた。今回のPeople Detectionも、それをさらに一歩進める新機能だ。

LiDARセンサー

 People Detectionは、iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxのカメラ群に搭載された新しいLiDARスキャナーを利用する。これは最新の「iPad Pro」にも搭載されており、今後はほかのデバイスにも導入される可能性がある。スキャナー自体は、新型iPhoneのうちハイエンドモデルの背面カメラのレンズ近くにある、小さな黒い丸だ。

 People Detectionは、古いiPhoneでは機能せず、「iPhone 12」と「iPhone 12 mini」、さらには最新の「iPad Air」でも使えない。これらのモデルはどれも、人の感知に必要なLiDARスキャナーを搭載していないためだ。

 People Detectionは、Appleの「ARKit」の「People Occlusion」機能を利用して、カメラの視野に人がいるかどうかを検出し、その距離を概算する。LiDARスキャナーは、その概算の精度を上げる機能を果たす。一瞬だけ光を発し、その光がLiDARスキャナーに返ってくるまでの時間を測定する仕組みだ。暗い場所、光量の低い環境では機能しない。

 以上の計測がすべてリアルタイムで実行され、iPhone 12 Proユーザーからの距離がフィードバックされる。

 People Detectionからのフィードバックが示される方法は4種類あり、自由に組み合わせて使用できる。すべて設定でカスタマイズが可能だ。人との距離を知らせるフィードバックのひとつが音声による読み上げで、フィート単位であれば、iPhoneが「15、14、13」などと音声で教えてくれる。メートル単位を選択している場合、通知は0.5メートルずつになる。

 しきい値となる距離を設定して、2種類の音声を使い分けることもできる。1つは人がその距離より離れているときの音、もう1つは人がその距離より近くに来たときの音ということだ。デフォルトでは6フィートあるいは2メートルに設定されている。

 3つ目は触覚フィードバックによるアラートだ。人との距離が遠いほどフィードバックは小さく遅くなり、近いと速くなる。現在のところiPhoneのみに対応しており、「Apple Watch」では利用できない。

 4つ目は画面への表示だ。この場合、人との距離を伝えるとともに、どこに人がいるかを画面上に点線で示す。

 People DetectionはAppleの「拡大鏡」アプリで利用できるようになる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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