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スマホゲーム「ツイステ」はなぜ10代女子の心を掴むのか--成功要因を解説

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 10代はゲームを非常に好む年代だ。男子は荒野行動やフォートナイト、PUBGなど、バトルロイヤル系ゲームを好む傾向が強い。一般的にゲームにハマるのは圧倒的に男子が多く、ボイスチャットでやり取りしている例はとても多い。

 一方、男子ほどではないが女子もゲームを好む。女子が好むゲームといえば、「ディズニーツイステッドワンダーランド」、通称「ツイステ」一色だ。

「ディズニーツイステッドワンダーランド」(C)Disney. Published by Aniplex
「ディズニーツイステッドワンダーランド」(C)Disney. Published by Aniplex

 ツイステとは、「不思議の国のアリス」や「ライオン・キング」、「リトル・マーメイド」などのディズニーヴィランズ(悪役)の魂を持つキャラクターが登場する学園アドベンチャーゲーム。主人公は、異世界「ツイステッドワンダーランド」の名門魔法士養成学校「ナイトレイブンカレッジ」で、才能豊かだが協調性皆無の生徒たちと交流しながら、元の世界に帰る方法を探し始めるというストーリーだ。

 LINEリサーチの10代の流行調査(2020年9月)によると、15〜18歳の女性の間では「ディズニー ツイステッドワンダーランド」が1位であり、19〜22歳の層でも3位など、高校生や大学生に人気が高い。クロス・マーケティングの「スマホアプリゲームの利用実態に関する調査」(2020年10月)でも、13〜15歳女子にはツイステが圧倒的人気であり、16〜19歳でもツムツムと並んでツイステが人気となっている。

 ツイステは、なぜこれほど10代女子の心をつかむのか。ツイステに見る女子のゲームの世界と、成功要因を解説する。

接点を多くしさまざまなファン層を取り込んで成功

 ツイステの人気ぶりを実感するためには、公式Twitterアカウントを見るといいだろう。フォロワー数は執筆時点で106.7万に上っており、通常の投稿でも、10万近いリツイートと20万いいねを集めることも珍しくない。これと同等なのは、興行収入が100億円突破して話題の「鬼滅の刃」劇場版のPV公開ツイートなどであり、人気の大きさがわかるだろう。

 Instagramでも、「#ツイステ」は15.4万件、「#ツイステッドワンダーランド」は15.8万件投稿されている。コスプレやイラスト、二次創作などで人気が出ていることがよく分かる。Pixivでも、ツイステ関連の二次創作イラストは非常に人気が高くなっている。なお、「#ツイステファンアート」というハッシュタグも人気が高いが、こちらも二次創作を意味する言葉だ。

「#ツイステッドワンダーランド」
「#ツイステッドワンダーランド」

 実はゲーム内のスクリーンショットや動画の撮影、投稿、一般的な非営利の二次創作は禁止されていないため、SNSでの現在の盛り上がりにつながっている。

 これほど人気のツイステだが、アプリの配信は2020年3月にスタートしたばかり。しかし、2019年2月にはティザーサイトを公開し、ゲーム正式公開前にSNSでキャラクターを紹介したり、テレビCMを打ったり、キャラの声を務める人気声優のリアルイベントを開いたり、グッズ展開などもして期待感を高めていたのだ。

 その結果、ゲームエイジ総研の2020年8月のリリースで分かる通り、初週ですでに55.6万人のユーザーを抱えており、そこから順調に増え、1カ月後には114.3万人まで増えている。

 ツイステ本編を見ると、「黒執事」で知られる漫画家・枢やなさんがキャラクターデザインとメインシナリオを担当。メインストーリーはフルボイスだ。リドル・ローズハート役の花江夏樹さんやフロイド・リーチ役の岡本信彦さんなど、豪華な声優陣が売りとなっている。

 メインストーリーでは7つある寮の1つが舞台となり、あるキャラクターの内面にスポットが当たる。次第にその人物の心の闇が明らかとなるが、やがてオーバーブロット(闇落ち)してしまう。主人公は、闇落ちしてしまったキャラクターを救うために奔走することになる。

 「ツイステはキャラの設定が細く設定されていて、ヲタ心をそそるのでは。ストーリーが膨らみやすいと思う」と、ある女子高生は二次創作人気が人気を後押ししていると考える。

 基本構造は典型的な女性ゲームであり、女性向けゲームファンは基本として、ツイステには若い女性の好きなものが詰まっている。コロナ禍でディズニーリゾートが閉鎖の中でのリリースだったため、ディズニーの世界に飢えていたディズニーファンに歓迎されたこと。女性向けゲームファンに加えて、枢やなファン、声優ファンなどのアニメ・漫画のファン層も取り込んだことは大きかったはずだ。

 接点を多くし、さまざまなファン層を取り込んだことが成功の大きな要因だったのではないだろうか。

愛着が強い同士でぶつかり炎上が頻発

 順調そのものに見えるツイステだが、周辺では炎上がよく起きていることでも知られる。過去には初期化バグが起きたことでユーザーが激怒していたり、ディズニーファンがハロウィン時のツイステ仮装でのディズニーリゾート来園を不快に感じたりするなど、炎上が起きていたようだ。それぞれに愛着が強い人が多いために、ぶつかることも多いというわけだ。

 「#ツイステ好きさんと繋がりたい」は8万件、「#ツイステ夢女子さんと繋がりたい」は4.6万件、「#ツイステッドワンダーランド好きな人と繋がりたい」は1.8万件など、ツイステが好きな人同士で交流したい気持ちは強い。一方で、違う方向から愛好している人に対しての嫌悪感や反発心を持つ人もいるようだ。

 10代女子の好きなものが詰まっているツイステを見ると、10代女子の感覚が理解できるかもしれない。気になる方は覗いてみてはいかがだろうか。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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