パナソニック プロダクションエンジニアリングは10月27日、追従型の電動車イスいす「ロボティックモビリティ PiiMo(ピーモ)AP-3050A」(PiiMo)を発表した。先頭の1台を搭乗者やスタッフが操作し、後続のモビリティが自動追従することで、効率的な移動をサポートする。発売は11月。価格は機能によって異なるが1台300~400万円を予定している。
パナソニックでは2015年からパーソナルモビリティ「WHILL」を手掛けるWHILLとロボット型電動車いすを共同開発しており、PiiMoはWHILLのパーソナルモビリティの供給などに関する契約締結に合意し、販売に至ったとのこと。「WHILL Model C」に、パナソニックがセンサー部分や制御アルゴリズムなどを実装した。
前方モビリティに設置されたマーカを後方モビリティが追従することで、前方の軌跡を正確に追従する仕組み。各モビリティが知能部を持ち、前方モビリティの軌跡に障害物などが出現した場合には自律的に回避し、移動を継続できるとしている。
ロボティックモビリティに搭載されたセンサーは、周辺情報からモビリティが障害物などに衝突の恐れがあると判断すると自動で停止。余裕をもった減速を伴う停止と機能安全による停止を2重化することで、快適性と安全を両立した移動を実現する。
パナソニックでは、2019年度に全日本空輸とともに成田空港国際線にPiiMoを導入したほか、現在はJR東日本グループとJR高輪ゲートウェイ駅で実証実験を実施。商品化に向け技術として完成度を向上してきたという。
実証実験を進める中で、走行途中でお手洗いに行きたくなるなどのケースを想定し単独走行にも対応。先頭車両が分離した場合は、2台目を先頭にして、追従移動を再開する「列組換え機能」なども搭載する。
車両間は5GHz帯無線方式で連携しており、技術的には10台程度の連結もできるが、推奨は5台程度。屋内使用を想定しているが、屋外での使用を要望する声もあり、屋外対応も現在開発中としている。
パナソニック プロダクションエンジニアリング 代表取締役社長の柳本努氏は「空港や駅での乗り換え時の移動や商業施設、展示会などでの使用を想定している。2023年度に100台の販売を目指す」とした。
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