アップルからスマートフォンの最新モデル「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」が発売された。iPhone 12シリーズは、11月に発売になる「iPhone 12 mini」「iPhone 12 Pro Max」も含めて、全機種5Gに対応している。そこでその実力はいかほどか、auのSIMカードをセットした5Gの「iPhone 12 Pro」を、同じくauの4GのSIMをセットした「iPhone 11 Pro」と比較してみた。
テストしたのはJR山手線の新橋駅。auのサービスエリアマップで5Gエリアとして確認できる場所だ。実際に駅に降り立ってすぐに、「iPhone 12 Pro」のアンテナピクトが5Gに切り替わるのを確認できた。アンテナが4本フルに立つ場所を選んで何度か速度調査を行った。
速度調査はSpeedtest.netのアプリを使用して実施。同じ場所でiPhone 12 ProとiPhone 11 Proを交互に5回ずつ計測した。場所によって波があったが、これは同時間帯、同じ場所で最も速度が出たものを抽出した。結果は、5Gのダウンロードが543Mbps、アップロードは98.7Mbps。4Gはダウンロードが61.7Mbps、アップロードが43.6Mbpsとなった。
ダウンロード(下り)速度でiPhone 11 Proと、およそ10倍ほどの差が確認できた。使用したのはスピードテスト用のアプリだが、実際に5Gエリアでは動画やアプリのダウンロードもかなり速いことを体感した。
なおiPhone 12シリーズでは、5Gエリア内で5Gをフルで使用するかどうかを設定することが可能。「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」で「5Gオン」「5Gオート」「4G」が選べる。「5Gオン」では5Gが利用可能な場合は、常に5G接続を行うというもの。「5Gオート」は、ストリーミング視聴時など速度が必要な場合は5Gで接続し、そうでない場合は4Gで接続するというもので、バッテリーの消費を抑えることができる。今回のテストは「5Gオン」で行ったが、通常は「5Gオート」にしておく方が良さそうだ。
このほか「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「データモード」でも、「5Gでより多くのデータを許容」「標準」「省データモード」が選択できるようになっている。これは5G接続時に、ビデオ再生やFaceTimeでより高品質な映像を利用するかどうかを設定するもの。
契約中のプランが大容量または使い放題なら、躊躇なく「5Gでより多くのデータを許容」を選択したいところだが、段階制のプランで通信費を抑えたい場合は「標準」、あるいはモバイル通信時の自動アップデートなども制限する「省データモード」も選択できる。
テスト結果は5Gと4Gの差を示すものとなったが、一方でほんの少し移動しただけで速度が大きく落ち込む場合もあり、エリアの広さや安定感はまだこれからといった印象を受けた。実際にエリアマップを見ても、使える場所はピンポイント。今すぐに5Gの恩恵を受けられるとは言い難いが、数年後の買い換えまでを見据えて選ぶなら、全機種5G対応のiPhone 12シリーズは良い選択肢と言えるだろう。
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