「iPhone 12」発表会、中国のソーシャルメディアは配信を中止していた

Sareena Dayaram (CNET News) 翻訳校正: 編集部2020年10月20日 16時06分

 Appleが10月14日に開催した「iPhone 12」のオンライン発表会は消費者の多大な関心を集めたが、中国の主要なソーシャルメディアや動画配信プラットフォームでは配信されなかった。Bloombergの報道によると、Appleのファンは直接Appleのウェブサイトから配信を見ることはできたものの、「Tencent Video」「Weibo」「iQIYI」「bilibili」は当初予定していたライブ配信を取りやめた。これは前例のない対応だ。

iPhone 12
アップルにとって中国は重要な市場だ
提供:Apple

 Appleは「WeChat」の公式アカウントで発表会の宣伝をしており、前述のすべてのプラットフォームでライブ配信する予定だとしていたという。

 配信中止は、米中の地政学的緊張が高まったタイミングで起きた。このことは、Appleが今後重要な中国本土の市場にさらに食い込もうとする際に直面する試練を示している。

 Donald Trump米大統領はここ1年ほど中国のIT企業に対して圧力をかけている。9月には、ユーザーデータの収集と監視の疑惑から、中国企業が提供する大人気アプリ、「TikTok」と「WeChat」を禁止した。それまで、中国のIT企業に対する米治安当局の懸念は通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に集中していた。ファーウェイのスマートフォン事業は、米国の半導体供給制限により、立ち行かなくなる可能性さえある。

 今回、中国の動画配信企業がそろってiPhoneの発表会のライブ配信を中止したことは、数年前にこれらの配信事業者が発表会の配信を始めて以来、初めてのことだ。Appleにとって世界で3番目に売り上げが大きい中国の市場において、iPhoneの発表会は多大な関心を集めるイベントで、「iPhone 12」という言葉はWeiboのトレンドランキングにも入っていた。

 Weiboは中国のマイクロブログサイトで、しばしばTwitterと比較される。もっとも、中国のメディアやインターネットサイトは、依然として公開する内容に関して中国政府の厳しい制限を受けている。

 「各社が深夜に最大の注目を集めるため、同時通訳者と解説者を雇っていたことを鮮明に覚えている。それはもうなくなった」とBloombergのGao Yuan記者はTwitterに投稿した。

 Appleは中国国内に大きなファン層を抱えているが、近年は中国メーカーが強力な競合相手としてiPhoneのライバルとなるハイエンドの「Android」スマートフォンを増やしているため、シェアは下降している。ファーウェイや小米科技(シャオミ)、欧珀(OPPO)といった中国のスマートフォンメーカーはAppleが5G対応のiPhone 12シリーズを発表する数カ月前に、地元中国で5G対応の高価格スマートフォンを発表している。

 米CNETはTencent Video、Weibo、iQIYI、bilibiliにコメントを求めたが、現在のところ回答は得られていない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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