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買収した側とされた側、それぞれの社長は何を思う?--AnyMindとGROVEが明かす

中川 亮(シェアエックス Founder&CEO)2020年10月29日 13時49分
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 ベンチャー企業のアライアンスの積極的な活用をサポートするシェアX(CEOは中川亮氏)が提供するサービス「AX(アライアンス トランスフォーメーション」 (同社のオリジナルワード)」が始めるオンラインインタビュー「AX/TV-HOW to Alliance」。この第1回目となる「M&A 買収した側された側の社長に出演いただきインタビュー」の模様をお届けする。

 今回は、アライアンスの中でも最もハードルの高い「M&A」、いわゆる資本提携について、買収した企業の社長と、買収された企業の社長にダブル出演してもらい、根掘り葉掘り話を聞いた。インタビュアーはシェアXの池田将氏。なお、動画での全編フルバージョンは10月29日19時から、Facebookイベントページ「【AX】 AnyMind GroupのM&A舞台裏を聞いてみた」にて配信する。

買収した企業の社長:AnyMind Groupの十河宏輔氏(中央)、買収された企業の社長:GROVEの北島惇起氏、インタビュアー:シェアXの池田将氏(右)
買収した企業の社長:AnyMind Groupの十河宏輔氏(中央)、買収された企業の社長:GROVEの北島惇起氏、インタビュアー:シェアXの池田将氏(右)

買収側の企業「AnyMind Group」とは?

——では、まず簡単に自己紹介をお願いします。十河さんの方から、AnyMindが何やっている会社なのかをご説明いただけますか?

十河氏:AnyMindは2016年4月にシンガポールで創業したのですが、最初はマーケティングテック、いわゆる「マーテック」のビジネス領域で、テクノロジーを使ってインターネット広告を簡単に扱えるようなプラットフォームを開発して、それを広告主や広告代理店、あとはオンラインメディアなどの媒体社向けに提供していました。

 その後、インフルエンサーマーケティング領域に進出しまして、インフルエンサーと広告主をマッチングできるサービスを展開してきました。これもソフトウェアの事業なのですが、同じく自社でプラットフォームを開発して事業を展開しています。今13カ国17拠点、750名の社員を抱えて事業をしています。

——東京にもオフィスをお持ちですが、事業全体でいうと、日本のビジネスの規模はどれくらいなのでしょうか。

十河氏:2019年の売り上げ構成でいうと30から35%ぐらいが日本という感じですね。

——それ以外が、アジアのさまざまな国でしょうか?

十河氏:東南アジア、インド、中東などから、という状況ですね。

——このコロナ禍で、いろいろと自由が利かないと思いますが、何とかなっていますか?

十河氏:そうですね。もともとグローバルで展開していたので、リモートワークには慣れていたんですよね。ですので、オペレーション自体はオンライン完結型になっており、事業としては回っています。

 ただ一方で、これまではその国に行って現地の社員と飲みに行くなど、カルチャーを作るためのウェットなコミュニケーションを心がけていましたが、そういうことが今はできなくなってきているので、そこは少し難しいポイントだったりします。あとはインドの会社も、今年の3月にM&Aさせてもらいましたが、子会社化してから、その会社の社員たちと1回もフェイストゥフェイスで会っていないんですよね。90名くらいの会社なのですが、基本的にはすべてオンラインでPMI(統合プロセス)を回しているという感じですね。

——今風ですね。ひょっとして、M&Aのディールの部分も全部オンラインでやったのでしょうか?

十河氏:そうですね、デューデリジェンス(DD)の細かいところは全部オンラインやらせてもらったのですが、その前のディール、要は口頭合意に持っていくまではインドに行ったり、東京に来てもらったり、バンコクでも会ったりと、さまざまな拠点でやりとりしていました。

買収された側の企業「GROVE」とは?

——続いて、GROVEの北島さんお願いします。

北島氏:北島です、よろしくお願いします。

——なかなか面白いキャリアをお持ちですね。

北島氏:僕は十河さんと同じく1987年生まれの33歳同士ではあるのですが、僕の方はお笑い芸人をやっていたり、自分でコツコツとアプリケーションを作ったりと、いろいろなことをやってきていて、少し変わった職歴だとは思います。

 GROVEの簡単な紹介をさせていただくと、インフルエンサーやYouTuberなどのマネジメントプロダクションをやっています。AnyMindはテクノロジーの側面でインフルエンサーマーケティングをやっているのに対して、僕らはどちらかというとエンターテインメントの側面でインフルエンサーの領域、TikTokやYouTubeを攻めたりしています。

——MCN(マルチチャンネル ネットワーク)のテクノロジー側をやっているのがAnyMindで……。区別するのも変な話ですけどね、親会社と子会社なので。

十河氏:どちらかというと僕らがバックエンドで、データ分析などをやっていて、GROVEはクリエイティブの面が強いという形です。

どのように出会いM&Aに発展したのか

——馴れ初めといいますか、お二人はどのようなきっかけで出会ったのでしょうか。

十河氏:当時は日本ではほとんど事業をやってなかったので、2019年1月くらいに本気で日本攻めるぞとなった時に、インフルエンサーマーケティングをすでに日本で展開している会社と組んだ方がいいよねと思ったんです。

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 そして、有力そうな会社を100社くらいリスト化して、それらの企業に会いまくっていったんです。それは問い合わせメールだとか、普通に電話をかけたりとか、いろいろな形でアポを取らせていただいて会いに行きました。GROVEさんに関しても、問い合わせメールを僕らの方からお送りし、アポを設定させていただいて、お打ち合わせさせてもらったというのが最初のきっかけですね。

——声をかけたのはAnyMindからなんですね。

北島氏:あれは忘れもしない、2019年の4月ですね。なんで忘れないかというと、僕らはAnyMindと資本業務提携する前に、スペースシャワーと提携しているんですよ。それでスペースシャワーに過半数の株を取得してもらったのが2019年3月なんですよね。そのリリースを見た上で僕らに声かけてきてくれたというのは、なかなかなタフだなと(笑)

十河氏:僕もそのニュースは知っていたので、ダメ元だったんですよね。ただ、ウェブサイトを見たら「この会社”イケてる”じゃないか!」って。結構、勢いのあるクリエイターさんも所属してますし、すごくポテンシャルがありそうだなと思って、ダメ元でアポを入れさせてもらって、打ち合わせを取り付けましたね。

——ここから得られる知見としては、あたかもここの子会社はこの親会社になる、ここはディール成立するかな?って思っていても、諦めずに行ったら、来る可能性があるってことですよね。何かいい条件を出すなど決め手があったんですか?

北島氏 :単純に僕はGROVEの代表として、GROVEが最も成長できる道を選ぶことが自分の仕事だと思っているんですけど、スペースシャワーと一緒にやりながらもAnyMindとパートナーを組む、というのが一番成長につながるなと思ったのが素直な気持ちですね。業務シナジーはめっちゃあるなと感じていました。

——今は連結子会社?

十河氏:連結子会社です。過半数はAnyMindの方で今持たせていただいてという形ですね。

なぜ、AnyMindは「M&A」をするのか?

——これまでに何社くらい買収していますか?

十河氏:今は、合計で6社です。

——それはAnyMindさん的には、やはり買収という方法を選んだ方がスピードが速いから向いているということなのでしょうか。

十河氏:そうですね。もちろんケースバイケースだと思いますが、僕らの場合、ビジネスモデルやプラットフォームを、最初からグローバルマーケットを対象にして開発しています。

 たとえば、日本で通用しているビジネスモデルとかプラットフォームを、日本以外の国に進出する時でも、営業やオペレーションを回してくれる組織がやっぱり必要なんですよね。その時にゼロイチで立ち上げるのが早いのか、それとも、現地で同じような事業を展開していて、顧客とのパイプ、アカウントを持っている会社と一緒になった方がスピードが上がるのかということは、常に判断の軸としては置いています。

 今回のケースでいうと、実際にシェア持っている会社さんに、僕らが持っているアセット、テクノロジーを提供することで、さらにグロースさせられるのではないかと思ったので、お声がけさせていただきました。

——今回のインタビューのテーマに「アライアンス」がありますが、アライアンスにもいろいろな形があると思います。アライアンスの究極の姿が、それこそ株式を持ち合うっていう、買収という形だと思います。手と手を合わせてアライアンスと言っているところもあれば、株式をちゃんと持ち合ってアライアンスというところもあると思いますが、その中で株を持とうと思ったのは、その方がより密接な関係を築けると思ったということですか。

十河氏:そうですね。やっぱり同志として、一緒に同じ方向を向いてやっていくには、そういった関係性を持った方が、より社内も動かしやすいですし。僕らも常にグループインしていただいた会社に言うのは、どんどん垣根をなくしていきたいということです。いろいろなところでシナジーはあると思うので、そのシナジーに気づいた時にいち早くお互いにコミットできるような関係性を作るには、やはり資本の部分で一緒になった方がやりやすかったりはします。

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