ビデオ会議サービスのZoomは米国時間10月14日、「Zoom」のエンドツーエンド暗号化(E2EE)が、来週よりテクニカルプレビューとして利用可能になると発表した。無料ユーザーでも有料ユーザーでも、参加者最大200人でE2EEの会議をホストできるようになり、プライバシーとセキュリティが強化されたZoomのセッションを実現できる。同社は、E2EEサービスの4段階の第1フェーズを段階的に提供開始する。この機能の提供開始から30日間、同社はユーザーからのフィードバックを積極的に受け付ける予定だ。またZoomは、新しいイベントプラットフォーム「OnZoom」、Zoomプラットフォーム内で他社製アプリを利用できる「Zapps」も発表している。
Zoomの最高経営責任者(CEO)Eric Yuan氏は当初、エンドツーエンドの暗号化を有料ユーザー向けのプレミアム機能にするとしていたが、6月にはすべてのユーザーに提供すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、在宅勤務が進み、Zoomソフトウェアを利用するユーザーが大幅に増加した中、Zoomのセキュリティの問題が明らかになり、注目を集めていた。
Zoomのミーティングには、これまでにある程度の暗号化が適用されている。Zoomのサーバーが暗号化キーを生成し、Zoomアプリを介してミーティング参加者に配布することで対応するというプロセスになっている。ミーティング中にZoomのアプリを介して送信されるユーザーの情報(音声、動画、アプリ内機能)はすべて、デフォルトで標準のAES-256暗号化によって保護され、受信者に到達するまで復号されない。Zoomの新しいE2EE機能では、暗号化キーをZoomのサーバーではなく、ミーティングのホストが生成する。Zoomのサーバーは暗号化キーを見ることはできない。
Yuan氏は、「ZoomのE2EEのこのバージョンをミーティングで有効にすると、ホストの前に参加する機能、クラウドレコーディング、ストリーミング、ライブのトランスクリプション、ブレイクアウトルーム、投票、1対1のプライベートチャット、会議でのリアクションなど、一部の機能が無効になる」と説明した。また、2021年にさらなる改善点を徐々に展開する計画だとした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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