アプリ内にはTeploが販売する茶葉が20種類登録されており、それぞれに水量と茶葉の量、抽出時間、抽出温度が設定されている。
「お茶農家の方と直接やり取りして抽出条件を決める場合もあるし、社内でお茶の官能試験をして当たりを付けた上で、最終的に農家やお茶に精通されている専門家の方などと条件をすり合わせていくという形を採る場合もある」という。
その抽出条件をベースに、飲む人がいる環境、飲む人の状態を分析し、好みに合わせて入れ方をカスタマイズするという流れだ。
たとえば寝る前に飲む場合、部屋が明るくて室温が少し低く、うるさい状況にいたら、リラックスできるようなお茶を入れる方向にする。緑茶の場合は低めの温度で長めに抽出するとリラックスに向くお茶を入れられる場合が多いので、そのように抽出する。そのほかに、「仕事に集中」「ワークアウトを楽しみたい」など、これからどうしたいのかを選んでもらい、それに合わせて抽出条件を変える。さらに、飲んだ後にユーザーからもらうフィードバックによって次の条件が変わっていく仕組みだ。
「なりたい気分」にはそのほかに「元気がほしい」「食事を楽しみたい」などいくつかの種類があるが、「副交感神経優位(リラックス状態)か交感神経優位(興奮状態)かというザックリした感じから、眠りたい時や食事の時には少し副交感神経優位のリラックスした状態を目指すというようなイメージだと説明する。
「効能や機能をうたうわけではなく、なりたい雰囲気や状況に合わせて『こんなお茶はどうですか』と提案していくもの。飲んだ後にフィードバックすることで、その人の好みに合わせて抽出条件が変わっていく」とした。
Teploが販売する茶葉だけでなく、市販の茶葉をアプリに登録し、抽出条件を設定して楽しむことも可能だ。お茶の名前と説明を入れ、水量(200~350ml、50ml刻み)、茶葉の量(1~10g、1g刻み)、抽出時間(0.5~10分、0.5分刻み)、抽出温度(30~95度、5度刻み)を設定すれば登録できる。
ユーザーが設定できるのは上のような抽出条件だが、アプリ内ではさらに細かく制御している。
「抽出温度は基本的に一定だが、回転の速さと回転方法のほか、浸しっぱなしにするのか、振り子のように揺らすのか。それを何秒間行うのかといったところまで制御している。開発中には、抽出中に温度を変えられる方がいいのではないかとか、いろいろな抽出モードを追加した方が面白いのではないかといった議論もあった。ただ、新しい機械であまり機能がありすぎても使えないため、最終的には機能をそぎ落とし、そこから本当にニーズがあるものを加えていく形になった」
筆者が「Teplo Green」(緑茶)を試してみたところ、抽出温度が60度(抽出時間は3分)と低いこともあり、「味はおいしいけど温い」と感じた。渋みや雑味が抑えられていてうま味が出ているのも分かるが、飲む時の温度としてはもっと熱々にしてほしいというニーズもあることだろう。
そうしたニーズについて、「味や香りは抽出条件によって変わる。その後に冷ましたり温めたりしても味に大きな影響はないため、温度を変えるというのは機能的には可能だ。飲む温度にも人の好みがあるし、年齢や性別でも傾向があるのではないかと思う。飲む温度までパーソナライズしていくというのは面白いかもしれない」と説明した。
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