Amazonは、現場の第一線で働く米国の従業員の新型コロナウイルス感染者数を初めて公表した。数カ月前には、州検事総長や抗議活動を繰り広げる従業員が、情報を開示するよう求めていた。
Amazonは米国時間10月1日、従業員1万9816人が3月1~9月19日までに新型コロナウイルスの検査で陽性と判定もしくは推定されたと明らかにした。米国内の全従業員に占める陽性者の割合は1.44%だったという。ジョンズホプキンス大学が報告した一般の人々の感染率を当てはめると、同社の従業員の感染者数は3万3952人になっていただろうとAmazonは説明している。
Amazonは、新型コロナウイルス感染者数の州ごとの詳しい集計値を公表することを数カ月間控えていたが、その姿勢を覆し、今回の情報開示に至った。5月には、13州の検事総長がこの情報を開示するよう求めていた。
Amazonは現在、他社にも同様のデータを公表するよう求めている。
「このデータを開示したこと、当社が学んだことが、他社の情報開示を促し、州が公共施設の再開を判断する際や、雇用主が従業員のオフィス復帰の可否や手段を検討する上で役立つと証明されることを期待している」とAmazonは述べている。
新型コロナウイルスのパンデミックが到来して以来、たびたびAmazonに対する従業員の抗議活動が起こった。Amazonが情報を公表したことで、そのような機運が再燃し、重要な年末商戦を前に、規制当局や議員が同社の安全性への取り組みの慣行を調査しようとする動きを促す可能性もある。Amazonは遅まきながら、今回の対応で透明性を高めようとしたが、同社を批判する人々から高く評価されることにつながらないかもしれない。これまでに同様の対応を取っている大企業は少ない。
Amazonを声高に批判する団体が1日、同社に対する政府の調査を求める声明を出した。
反Amazonの連合組織Athenaは、「Amazonは、まぎれもなく公衆環境に対する脅威だ」と述べ、Amazonは今後、このデータを定期的に更新する必要があるとした。
Amazonは1日、従業員を守る取り組みについてあらためて示し、検査に数億ドルを投じ、マスク1億枚を配布したほか、施設の清掃を強化していると説明した。また、広範なソーシャルディスタンスの対策によって、従業員のリスクを低減したとしている。
Amazonは、陽性と判定された従業員が必ずしもAmazonの施設でウイルスに感染したとは限らないことを指摘した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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