シアトル市議会は米国時間9月29日、UberやLyftのドライバーに最低賃金基準を適用する条例案を満場一致で可決した。米国でこの種の条例を定めた都市は、シアトルが2例目となる。2021年1月から施行される新しい条例のもとで、配車サービス各社は時給16.39ドル(約1700円)以上の賃金をドライバーに支払うことを義務付けられる。
条例は賛成9票、反対0票で可決されたという。ニューヨーク市が2018年に制定した条例をモデルにしたものとみられている。またニューヨーク市は、UberやLyftといった配車サービスの車両が市内を走行できる台数に制限を設けている。シアトル市の条例は、乗客を乗せて走行しているドライバーに対し、1分あたり最低56セント(約60円)、1マイル(約1.6km)あたり最低1.33ドル(約140円)の賃金を支払うことを義務付ける。
Lyftは今回の動きを批判し、数千人の職が失われることになると主張した。Uberもシアトル市議会に宛てた書簡で、シアトル市がニューヨーク市と「同様の悪影響を及ぼす政策」を採用したことに失望したと述べている。
シアトル市はこの日可決された条例文を作成するにあたって、著名なエコノミスト2人に、UberやLyftのドライバーの最低賃金を決定するための調査を依頼した。UberとLyftもコーネル大学の研究チームに調査を依頼していたが、この2つの調査の結果は非常に異なるものとなった。市の依頼を受けた研究者が、ドライバーの賃金を平均で1時間あたりおよそ9.73ドル(約1030円)と結論づけたのに対し、配車サービス企業の委託を受けた研究者は、23.25ドル(約2450円)と算出していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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