SpaceXとTeslaの最高経営責任者(CEO)を務めるElon Musk氏は、自ら設立したNeuralinkで豚を使った脳インプラントのテストを進めているが、脳とコンピューターをつなぐデバイスで人間のコミュニケーションも加速させたいと考えている。同氏はThe New York Times(NYT)が米国時間9月28日に掲載したインタビューの中で、その考えを語った。
NYTのポッドキャスト「Sway」に収められたインタビューで、Musk氏は次のように述べた。「われわれ人間は超低速のモデムのようなものだ。電話に情報を出力するのが非常に遅いし、10本の指を使ってもコンピューターへの出力が少し速くなるだけだろう。それこそが、コミュニケーションを極めて困難にしている。AIは、人間には話が通じないという理由だけで、人間から離れていくだろう」
人はすでにスマートフォン、コンピューター、ソーシャルメディアのアカウントと強く結びついているので、Neuralinkのチップを脳に入れても人類が大きく変わることはない、とMusk氏。
さらに「そう考えると、人はすでに電子機器の一部になっているようなものだ。人が死んでも、最近では故人の電子的なゴーストが残る。ご存知の通り、InstagramやTwitterなどがそうだ。Facebookもメールもウェブサイトも、すべてがそのまま残る」と語った。
Musk氏によると、Neuralinkのチップは、「コミュニケーションの帯域幅」を拡大できるようになる前に、脳損傷の治療で最初に価値を示すという。ただし同氏は、プロジェクトは依然として「まだまだ初期の段階」だと認めている。米食品医薬品局(FDA)の承認を得る前に、入念なテストを実施し、チップに悪影響がないことと埋め込み後も除去できることを確認する必要があるとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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