Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」が初めて発表されたとき、Googleは、テレビゲームの遊び方を根底から変えるとうたっていた。前評判も高かったが、1件のツイートがそれに水を差した。
「Google Stadiaのレビューを1枚のGIF動画でお見せします」。The Washington PostのジャーナリストGene Park氏がそうツイートしたのは、2019年11月のこと。Stadiaのサービス開始直前だった。Park氏はキーボードのスペースバーを押して、ゲーム内でジャンプの動きをとろうとするが、苦笑いを浮かべながら振り向く。Stadiaは、反応するまでにほぼ丸1秒もかかっていたのだ。
here is my Google Stadia review in one GIF.
— Scream Park (@GenePark) November 18, 2019
this is on The Washington Post's Gigabit Ethernet last week. pic.twitter.com/qexEv6vyUD
Stadiaに関しては、確かに失敗があったと言ってもよさそうだ。だが遅延の問題を抜きにしても、Stadiaは予想に反して新鮮さに欠けるビジネスモデルだと非難され、当初から苦戦した。
われわれが期待したのは、膨大な数のテレビゲームを低価格の月額料金で遊べる、ゲーム界のNetflixのようなサービスだ。だが、いざ始まってみると、かなり期待外れだった。無料のゲームが断続的に登場するが、大半はぱっとしないタイトルだった。「DOOM Eternal」や「レッド・デッド・リデンプションII」といった最近のテレビゲームは事実上は正規価格で、購入を促すようになっている。言ってしまえば、Stadiaは、「Xbox」や「PlayStation」をややこしく複雑にして、ダウンロードの代わりにストリーミングでゲームを提供するサービスのように感じられる。
Stadiaは、われわれが期待していた未来志向の変革とは程遠い。精彩を欠いたローンチを引きずって、「OUYA」と同じ道をたどってきている。アイデアは素晴らしかったが、手法としては、つい最近「Ultimate」プランでストリーミングが始まった「Xbox One」のサービス「Game Pass」に及ばなかった。だが、その点を除けば、「ゲーム界のNetflix」になろうとする長期的な闘いにおいて、大きな進歩をとげるものではあった。
2020年の時点で、Stadiaはそれほど普及していないようだ。
そうした失敗をにらみながら、Amazonは先頃、競合サービス「Luna」などを発表し、今後、正式なリリースを予定している。表面的にはStadiaに似ていて、無謀なアイデアに見える。たが、ごく初期のこの段階でも、LunaはStadiaの過ちから学んだように思えるし、その点だけからでも、成功の可能性はLunaの方がはるかに高そうだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」