「要約」とは、重要な点をまとめて短く表現することだが、要約する力というのは、簡単に身につくものではない。筆者自身、ライターになったばかりの頃(だいぶ昔になるが)、頑張って書いた原稿を上司に全て突き返されてショックを受けた。悔しくて、「まとめ方」について猛烈に勉強して練習し、その後何年も文章を書くことを仕事にできているが、未だに「要約」は難しいと感じる。
本書では、その「要約する力」がいかに重要な力であるかが説かれた後、要約力をアップさせるために必要な視点や考え方のほか、具体的な行動の仕方や、文章のまとめ方が、詳しく説明されている。いまいちな例とその直し方がとてもわかり易く、あの時こういう本があれば、あれほど苦労しなくても済んだかもしれないと思うと悔しくもある。
要約力を鍛えるには、普段からの訓練がとても重要だが、本書では、Twitterを使った手軽な方法での練習方法なども提案されている。自分の好きなものの話題から、簡潔に伝える練習を積み重ねれば、徐々に要約力そのものがアップしていくことだろう。また、著者が本当に伝えたいメッセージが「終わりに」にあるので、最後の最後まで読むことをお勧めする。
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