タイトルからは、若い人向けの文章術の本であると考えられる上、本文も、就職活動を控えてエントリーシートが上手に書けずに悩んでいる大学生を主人公として、話が進められている。しかし「分かりやすく、人に伝わる」文章を書けるようになるために気を付けるべきことは、仕事で文章を書く必要がある多くのビジネスパーソンにも共通することであり、それを楽しく学べる点で、本書は万人にお勧めできる。
本文のデザインも大変優れており、中身をパラパラとみたときに、従来の文章読本よりも相当にとっつきやすい。例文や改善例が手書き文字で書かれており、実際、手書きすることを求められる場面も多い就活生にとっては、特に親しみが持てるだろう。本文は、文章を上手に書けない主人公が、「文」と「文章」の違いについて知るところから始まり、徐々に分かりやすく、伝わりやすい文章が書けるようになる構成になっている。
エントリーシートだけではなく、社会人には必須のメールでのやりとりや、会社では日常的に書くことが多い報告書や議事録、さらには、プレゼンテーション用のスライド、プレスリリースなど、「書ける」というだけでスムーズにいく業務は山ほどある。苦労して身につけた文章力というのは、一生モノだ。「やってみよう!」というコーナーに実際に取り組んでいくことで、本書を1冊終える頃には、今までの自分とはまったく違う文章が書けるようになっているだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス