リコーは9月17日、室内光で発電する固体型色素増感太陽電池「RICOH EH DSSC2832」を搭載したマウス「SMART R MOUSE(スマート アール マウス」をビフレステックと共同開発したと発表した。ビフレステックは、太陽電池の回路設計やリチウムイオンキャパシタなどのデバイス組み込み技術を有する。
同日からウェブサイトにて予約受付を開始し、10月1日に発売する。価格は1480円(税別)でカラーはブラックのみ。販売台数は、1万個限定。
同マウスは、リコーのエネルギーハーベスト(環境発電)製品で、2月に発売したRICOH EH DSSC2832を一般向けに初めて実用化した商品だ。
移動時の持ち運びを想定し、軽く折りたたみめる構造になっているほか、ホイールレスのスクロール機構を採用している。満充電で約18時間の動作を可能としているが、1日1時間以内の利用かつ、600lxの明るさで12時間光があたっている環境においては充電不要で使い続けられる。
マウスの電池が切れてしまった場合、USBによる急速充電(90秒充電)にも対応する。
固体型色素増感太陽電池は、同社が複合機の開発で培った有機感光体(OPC)の技術を応用して開発したものという。倉庫などの明るさの十分でない低照度の室内光でも使用できる高い発電力と、電解液の固体化に成功したことで電解液不使用の安全性を兼ね備える。ボタン電池レス、交換レスによるメンテナンスフリーも特徴の一つだ。
今回の取り組みについて、「リコーをマウスメーカーにしたいわけではない。この発電素子を多くの人に知っていただくことで、いろいろな発想に役立ててほしい。そのための特別価格」(リコー EH事業センター 企画営業グループ リーダーの笠原俊秀氏)と説明する。事例として具現化することで、新たな取り組みにつなげたい考えだ。
IoTデバイスは、PCやスマートフォンなどのインターネット接続端末に加え、「自動車・輸送機器」「医療」「産業用途」での高成長が見込まれているという。同社では、これらのIoTデバイスの遠隔操作や無線によるデータ通信に必要な超小型センサーに対し、固体型色素増感太陽電池によって安定給電できる実績を積み重ね、環境にやさしいIoT社会の実現に寄与することを目指しているという。
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