LINEは9月10日、オンラインカンファレンス「LINE DAY 2020」を開催。エンターテインメント領域における今後の施策を発表した。
新たに手掛ける音楽ディストリビューションサービス「SOUNDALLY」では、自身が作った音楽を、LINE MUSICをはじめとした各種音楽配信サービスを通じて提供できるというもの。すでに音楽ディストリビューションサービスとして展開されているものがあるものの、SOUNDALLYでは「何曲登録しても無料」「そこで得た収益は全額還元」を特徴としている。2020年冬のサービス開始を目指して準備を進めているという。
LINEのLINEタイムラインにおいて、「マルチアカウント」機能を近日中に提供開始予定。LINEタイムライン上で新たにアカウントを作成し、LINEタイムラインに動画や記事コンテンツを無料で投稿できる機能。個人アカウントとは別にオフィシャルアカウントとして運用したり、旅行やグルメなど発信するコンテンツのジャンルごとにアカウントを使い分けできるため、発信の幅が広がるとしている。
マルチアカウント機能にあわせて、収益化とセルフプロモートの2つを実現できる仕組みも提供。クリエーターが、マルチアカウント機能で作成し一定の基準を満たしたアカウントから、動画コンテンツに広告を掲載してLINEタイムラインに投稿することで、視聴に応じた広告収入を得ることが可能となる。動画再生時に再生途中から挿入されるインストリーム広告と、動画再生時に再生途中から画面の下部に表示されるイメージ広告の2種類が用意されている。
セルフプロモート機能では、ターゲットとするユーザーのフィードにポストをリーチできるというもの。ポストする対象は、クリエーター自身がアカウント上で直接、性別、年齢、地域、興味に基づいて設定でき、アカウントの友だちが100人以上を超える場合は自動ターゲットを選定することも可能としている。
松竹、LINE、Sprootの3社で、映画や演劇などのコンテンツや、映画館、劇場などのDX推進、マーケティングの高度化を目的とした「松竹DXコンソーシアム」を設立することも発表。松竹が展開するエンタテインメント・コンテンツと映画館・劇場等の施設、LINEが持つプラットフォームや先端技術、デジタルマーケティングに関する知見、Sprootのエンタテインメント関連ビジネスのデジタル化ノウハウを融合し、エンタメ業界のDXを牽引することを目的としたもの。
リアルをオンラインに置き換えるだけではなく、オフラインとオンラインの融合を推進し、新たな顧客体験を創造することを目指す。映画館のDXの推進、顧客データベースの集約と分析によるカスタマージャーニーの可視化より、顧客に対し高価値な映像体験を提供。また、オンライン配信におけるマーケティングの高度化により、オフラインに近い体験を実現する新たな配信サービスなどを実現し、顧客満足度の一層の向上を図るとしている。
LINE 取締役CSMOの舛田淳氏は、エンタメ領域でのDX推進について触れ「DXといっても、決してオフラインの体験価値が下がるということではない。新型コロナが落ち着きオフラインの体験が戻ってくるから、すべてがOKということでもない。DXが進む世界においては、ユーザー体験のすべてがリアルであるという認識に立つこと。オフラインのリアルな体験、オンラインのリアルな体験をどう作っていくかが大事になっていく」と語った。
なおカンファレンスの最後には、LINE LIVE-VIEWINGでのオンラインライブを行った、アーティストの長渕剛さんがゲストとして来場し、舛田氏との対談を行うなど華を添えていた。
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