LINEは9月10日、オンラインカンファレンス「LINE DAY 2020」において、LINE Payの新展開「LINE Pay 3.0」の詳細を発表した。決済だけでなく、公共性の高い認証プラットフォームへの発展を目指す。
同社では、非接触をキーワードに、LINE PayのApple Pay対応を2020年中に対応予定としている。また、東京ガスと払込書のペーパーレス化を実施。請求書のバーコードを読み取ることなく、ガス・電気料金の請求から支払い、家計簿への反映までをLINE上で提供するという。2021年春ごろの提供を目指す。
LINE Payは、バージョン1.0で決済箇所の拡大、2.0として決済のマーケティング手段・ビジネス拡大ツールとして展開してきたが、3.0は認証ツールに発展させる。eKYCサービス「LINE ID Passport」を提供し、一度LINE Payで本人確認を済ませるだけで、LINE IDを“パスポート”のように、金融サービスや民泊といったシェアリングサービス、チケット販売・リセール、飲食店予約など他のサービスでの本人確認に使うことができる。
さらに、証明書発行、子育て関連申請、給付金申請、公共交通、公共施設予約など、自治体での本人確認に使えるポテンシャルを強調。非接触やDXを背景に、“公共性の高い”本人確認サービスを目指す。LINE内外問わず、一つのIDでさまざまなサービスを横断できる、有機的なサービス提供が可能になるかもしれない。
キャッシュレス業界は、ポイント還元などを象徴するように、「利便性」「お得」といった直観的でわかりやすいメリットを強調してきたが、新型コロナウイルスの感染防止という面で、現金に触れない「非接触」というキーワードが脚光を浴びるようになり、キャッシュレスの必要性がこれまで以上に増している。
また、コロナ禍で大きな打撃を受けている中小企業や個人事業主のキャッシュフローを円滑にすべく、入金申請の無料化、清算サイクルの短縮化をLINE Pay側で実施。SMB加盟店からは、非対面決済を実現する代替手段を求める声や、LINE上で予約から決済まで完了できるようにしてほしいとの要望が届いたという。
そこで、同社はLINEトーク画面上で決済できる「支払いリンク」機能のプロトタイプ版を7月にローンチしている。特別な設備なしでキャッシュレス決済を導入でき、デリバリーやテイクアウトの事前決済、通販、オンラインレッスン、中古販売・買取、相談サービスなど、個別のコミュニケーションが重要になるビジネスにマッチするという。この機能は、201年7月まで無料で利用可能。正式版の提供開始日や手数料などは改めて発表するとしている。
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