ヤマハは9月2日、天井に設置するシーリングアレイマイクロフォンと中枢を担う専用プロセッサーを中心に構成した遠隔会議用サウンドソリューション「ADECIA(アデシア)」を、2021年1月に発売する。年2000セットの販売を計画しているという。
ADECIAは、天井に設置するシーリングアレイマイクロフォン「RM-CG」と中枢を担う専用プロセッサー「RM-CR」などで構成されたサウンドソリューション。
オーディオネットワーク規格「Dante」を採用し、LANケーブル1本で多チャンネルの音声を伝送できるだけでなく、同一のLANケーブルで電力を供給するPoE駆動や、機器同士が音声回線設定・詳細調整を自動で行う機能を備えている。
また、会議室への機材導入に際して直面する各機器間の配線や、ネットワーク環境の確立、それぞれの部屋環境に合わせた音響調整などを自動で解決。ウェブブラウザ上のセットアップウィザードに従い数回クリックするだけで、システム内のオーディオルーティングや部屋の環境に応じた音響調整を自動的に行うため、これまで設置・調整に必要とされてきた音響に関する「知識」「経験」「時間」の最小化が図れているという。
RM-CG(税別60万円)は、独自の音声信号処理技術を搭載したシーリングアレイマイクロフォン。天井に設置することにより会議中にマイクなどの会議用端末に触れる回数を大幅に削減し、高品位な会話体験を提供できるという。
また、話者が発言するだけでビームが音源の方向を検知するダイナミックボイストラッキングを採用。事前に話者の位置を設定する必要がないため、ソーシャルディスタンスを意識した会議室の急なレイアウト変更にも柔軟に対応できるのが特徴。
4本のオートトラッキングビームフォーミングを採用することにより、複数人の同時発話も逃すことなく追尾し、それぞれのビーム指向性を狭くすることで周りの雑音を抑制しながら話者の発言を的確に捉えられるという。
さらに、マイクロフォンに多彩なプロセッシングを搭載することで、利用する環境に自動で適応し、あらゆる環境下で快適な遠隔会議を実現する。
このほか、遠隔会議におけるエコーを除去し双方向に言葉を伝え合える「適応型エコーキャンセラー」、マイクと各出席者との距離の違いからくる音量差や各出席者の発話の声量差を自動調節する「オートゲインコントロール」、空調機のノイズなどの定常的な雑音を軽減する「ノイズリダクション」、残響が多い部屋でも明瞭度の高い音声を伝えられる「残響抑制機能」、人の声と雑音を自動判別する「HVAD(Human Voice Activity Detection)機能」など、多彩な音声処理技術を搭載することで、雑音に声が埋もれ、十分に声が聞き取れないなどの音の課題を解決している。
RM-CR(税別24万円)は、本体をLANケーブルでPoEスイッチに接続することで、同一ネットワーク上にあるシーリングマイクロフォンを認識し、会議室の空間に合わせて自動で音響調整を行うことが可能。
また、多彩な入出力端子に対応。Web会議だけでなく、ビデオ会議や電話会議などのあらゆる遠隔会議との接続やアナログ有線マイクの追加などにも対する。
なお、既に業務音響市場で高い評価を得ているDante/PoE対応ラインアレイスピーカー「VXL1-16P」とPoE給電対応のネットワークスイッチ「SWRシリーズ」を組み合わせることで、遠隔コミュニケーションのワンストップサウンドソリューションを実現。多様な遠隔会議スタイルをサポートできるという。
【9月4日追記】記事初出時、RM-CGとRM-CRの金額が入れ替わって表記されていました。訂正してお詫び申し上げます。
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