Appleと「フォートナイト」の開発元Epic Gamesの対立が激化している。Appleは米国時間8月28日、Epic Gamesに対する圧力を強め、同社の開発者アカウントを停止して、実質的に「iPhone」と「iPad」のフォートナイトのアップデートを不可能にした。
Appleは同社のプラットフォームで、アプリ内で購入されるデジタルアイテムの売り上げの最大30%を手数料として徴収する。フォートナイトのプレーヤーが自分のキャラクターのためにコスチュームや人気の高いダンスを購入することで、フォートナイトはこれまでに多額の収益を上げている。しかし、開発元のEpicは8月13日、フォートナイトの内部にAppleの規則を迂回してプレーヤーがEpicに直接支払うことを可能にするコードを有効にした。
これに対しAppleは、アプリストアからフォートナイトを削除した。Epicは、Appleを提訴するとともに、「#FreeFortnite」というゲームトーナメントの開催や、Appleの「Macintosh Computer」の有名なCM「1984」のパロディーなどでAppleに対抗するPRキャンペーンを展開した。
両社間の訴訟を担当するカリフォルニア州の裁判所の判事は、AppleがアプリストアでEpicのゲームの提供を再開することは求めなかった。Appleは裁判文書と声明の中で、係争中にEpicがフォートナイトに加えた変更を削除すれば、Epicのアカウントを復活させる意向を明らかにしている。
Appleは、「裁判所は議論が進む中、Epicに対し、このような状況が生まれるまで10年間準拠していた『App Store』のガイドラインに従うよう勧めたが、Epicは拒否した」と述べ、Epicはガイドラインに違反するアップデートを「繰り返し」提出したとしている。「将来また協力できることを願っているが、残念ながら今は不可能だ」(Apple)
Epicの最高経営責任者(CEO)Tim Sweeney氏は、AppleはEpicのアカウントを停止する必要はなかったとして、Appleの声明を批判した。さらに同氏は、Appleに提出したフォートナイトのアップデート案について明らかにしている。
Apple's statement isn't forthright. They chose to terminate Epic's account; they didn't *have* to.
— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) August 28, 2020
Apple suggests we spammed the App Store review process. That's not so. Epic submitted three Fortnite builds: two bug-fix updates, and the Season 4 update with this note. pic.twitter.com/VpWEERDp5L
最大30%というAppleの手数料に不満をあらわにする企業はEpicのみではない。Reutersによると、Facebookは28日、アプリのアップデートでAppleの「税」についてユーザーに通知しようとしたところ、Appleがアップデートを却下したことを明らかにした(Appleは、Facebookによる広告追跡の慣行を以前から批判しており、Facebookの事業に打撃を与える可能性のある新しい技術的な変更を次期「iOS」に加えようとしている)。
Appleは、フォートナイト開発用のEpicのアカウントを停止したが、「Unreal Engine」ツールを提供するためにEpicが利用しているアカウントには影響しないとしているようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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