ソフトバンクとトヨタ自動車などの共同出資会社であるMONET Technologiesは8月27日、MaaS(Mobility as a Service)向けの架装車両や架装キットを提供する「MONET MaaSコンバージョン」の第1弾を発表した。
今回発表した第1弾では、1台をさまざまな用途で活用できる「マルチタスク車両」と、車内での乗客のパーソナルスペースの確保と換気に配慮した「パーソナルベンチレーションキット」の2種類を開発。8月27日より、企業と自治体を対象に受注を開始した。
マルチタスク車両(ベース車両はトヨタ・ハイエース グランドキャビン)は、複数のレールを活用した専用フロア構造により、後席の取り外しや移動、テーブルの設置などを、工具を使わずに自由に行える架装車両。納車開始時期は2021年1月中旬。販売価格は、車両+架装で税別820万円から。架装のみで税別420万円から。
オンデマンドバスとしての活用だけではなく、電源や照明、テーブル、モニターなど(一部オプション)を装備しているため、移動先での商談スペースやオフィスとしての利用、物販や行政サービスの提供など、さまざまな用途で活用できるという。
パーソナルベンチレーションキット(トヨタ・ハイエース グランドキャビン用)は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて開発した、車内での乗客のパーソナルスペースの確保と換気に配慮した架装キット。主に地域のオンデマンドバスや通院・通勤シャトルバス、旅館の送迎車などへの架装を想定している。納車開始時期は2020年9月下旬。販売価格は、架装のみで税別71万円から。
座席間に隔壁やカーテンなどを設置することで、パーソナルな空間をつくり、ドライバーや乗客同士の接触を極力少なくできるのが特徴。また、同社が独自開発した強制換気の仕組みにより、各後席の天井から外気を取り入れ、後方へ流して排気することで、常に新鮮な空気に入れ替えることができるという。そのほか、乗客の体表面温度を測定する非接触式測定器を装備し、乗客の降車後にドライバーなどが容易に清掃できるように、後席にはビニールシートカバーを装着している。
同社は、「MONET MaaSコンバージョン」と、データ基盤やAPIなどを備えた「MONETプラットフォーム」を提供することで、人の移動だけではなく、小売・医療・観光・行政などさまざまなサービスの移動を、車両とシステムの両面から支援するとしている。
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