Facebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏が、2019年にワシントンDCを訪問した際、人気動画アプリTikTokの台頭について米国議会議員らに警告したと報じられている。Zuckerberg氏は同年10月にホワイトハウスで開かれた非公式の夕食会の席で、Donald Trump米大統領に対し、中国のインターネット企業が米国企業にもたらす脅威はFacebookの力を抑え込むより重要な懸念事項だと示そうとしたようだ。The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間8月23日付の記事で報じた。
Trump大統領は2020年8月、字節跳動(バイトダンス)が運営するTikTokを米国で実質的に禁止する大統領令を発動し、このような中国製アプリが広く利用されることは「国家の非常事態」だと述べた。TikTokがTrump政権や米国政府当局の注意を引いてきたのは、このアプリが米国人に関する情報を収集しており、情報が中国政府の手に渡るおそれがあるとの懸念からだ。
TikTokアプリの爆発的な人気が、TikTokへの懸念を高めている要因の1つだ。TikTokは米国でアプリを実質的に禁止するという大統領令を受け、声明の中で、これまで1年近く米国政府と誠実に関わろうとしてきたと抗議している。TikTokは24日、この最初の大統領令をめぐってTrump政権を提訴した。
Facebookの広報担当者は、24日にメールで声明を寄せ、Zuckerberg氏がTikTokの禁止を提言したことはないと述べた。
広報担当者は、「(Zuckerberg氏は)これまでも公の席で、米テクノロジー企業の最大のライバルは中国企業であり、彼らは言論の自由などの民主主義の理想とは異なる価値観を持っているとたびたび発言している」とし、「両党の議員が長きにわたり表明してきた国家安全保障上の懸念が、もっぱらZuckerberg氏の発言によって形成されているというのはばかげた考えだ」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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