ショート動画アプリTikTokは、米国で同アプリを実質的に禁止する大統領令が出されたことを理由に、Donald Trump米政権を提訴した。
TikTokは、米国時間8月24日にカリフォルニア中央地区連邦地方裁判所に訴状を提出。同社ウェブサイトに声明を掲載し、Donald Trump大統領が6日に署名した大統領令は適正な手続きに則っておらず、「TikTokが実際に脅威であるという証拠」を示さず、その「罰則措置」の正当化もしていないと述べた。
1億人を超える米国ユーザーを擁するTikTokは、反論の機会を与えられなかったとし、アプリをめぐる国家安全保障上の懸念には根拠がないとした。
「この大統領令は、真正な国家安全保障上の懸念に根差したものではない。国家安全保障と情報セキュリティの独立系の専門家らは、この大統領令の政治的性質を批判しており、それが主張する国家安全保障上の目的が本当かどうかに疑念を示している」と訴状には記されている。
Trump氏が署名した大統領令は、TikTokの親会社で中国企業の字節跳動(バイトダンス)との米国におけるすべての取引を禁止している。TikTokが収集するデータは「中国共産党に米国人の個人情報と機密情報へのアクセスを許す恐れ」があり、中国に連邦職員や契約業者の位置追跡を許す恐れがあるとしている。この大統領令では、TikTokが米国事業の売却先となる米国企業を見つけなければ、45日後から発効するとされていた。Trump氏はその後、8月14日の大統領令で期限を90日以内に延長した。
インドでは6月にTikTokなど59の中国製アプリが禁止された。インドは、国家安全保障上の懸念をその措置の理由として挙げていた。
TikTokは、米国ユーザーのデータを中国政府に渡したことはなく、求められても応じないとしている。中国政府に批判的なコンテンツの検閲についても否定している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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