Volkswagen(VW)傘下の自動車メーカーPorsche(ポルシェ)は、スポーツカー「911 GT2 RS」のエンジンに使われるピストンを、3Dプリンターで製造した。
エンジンのピストンは、シリンダー内で燃料の爆発する力を受け止め、爆発力を回転力へと変換するために使われる重要部品の1つ。高温高圧ガスにさらされ続けるため、高い信頼性や耐久性が求められる。
Porscheは、アルミニウムの粉末をレーザー光線の熱で溶かすLaser Metal Fusion(LMF)方式の3Dプリンターを用い、ピストンを成形した。
一般的にピストンは、鋳造技術で作られる。3Dプリンターを使うと、鋳造では実現不可能な形のピストン製造が可能になり、理想により近い形状で作れるという。たとえば、このピストン内に冷却ダクトを設け、冷却効率を高められたとしている。
今回製造したピストンは、従来に比べ10%軽くなり、エンジンの回転数を上げられた。そして、効率を向上させつつ、出力が従来の700馬力より最大30馬力高くなったそうだ。
3Dプリンター製ピストンの紹介ビデオ(出典:Porsche/YouTube)
なお、Porscheは旧型車向け部品も3Dプリンターで製造している。
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