民泊大手Airbnbは米国時間8月19日、新規株式公開に向けて必要書類を提出したと発表した。シリコンバレーのパイオニアであり、「シェアリングエコノミー」が普及するきっかけの1つとなった同社にとって、大きな節目となる。
公開する株式数や価格帯については「未定」だという。同社は発表に含まれていない事柄については、コメントを控えた。
このニュースは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に直面した旅行業界にとって、非常に厳しい1年のさなかに届いたものだ。Airbnbの企業価値は、非公開の資金調達ラウンドで一時は310億ドル(約3兆3000億円)と評価されたと報じられたが、全世界で経済活動が停止し、人々が旅行をキャンセルして家に閉じこもったことで特に大きな打撃を受けた。
5月に入ると、同社は全従業員の4分の1に相当する1900人を解雇すると発表した。パンデミックが始まって以来、シリコンバレー企業の中でも特に大規模な人員削減の1つとなった。この時、最高経営責任者(CEO)のBrian Chesky氏は従業員に対し、2020年の売上高は、48億ドル(約5090億円)と報じられた2019年の半分以下になるとの見通しを明らかにしていた。
Chesky氏に加え、Nathan Blecharczyk氏とJoe Gebbia氏の3人が創業したAirbnbは、シリコンバレーのスタートアップ企業の世界で瞬く間に寵児となった。Airbnbが当初飛躍したきっかけは、2008年にコロラド州デンバーで開催された民主党全国大会だった。この時大統領選に立候補していたBarack Obama氏の歴史的な候補指名を見ようと、デンバーには大勢の人が詰めかけたが、ホテルの部屋が不足していたからだ。その後同社は、ユニコーン企業と呼ばれる、10億ドル以上の企業価値を持つごく限られた企業の仲間入りを果たした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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