ドローンが台頭し始めて以来、静かに激しい戦いが繰り広げられている。そして、ドローンは負けているようだ。ミシガン州のハクトウワシは7月、同地域でドローンを運用するミシガン州環境・五大湖・エネルギー省(EGLE)を快く受け入れなかった。
米国時間8月13日のEGLEの声明によると、ドローンパイロットで環境品質アナリストのHunter King氏は、7月21日にミシガン湖岸の海岸線侵食を調査するため、「Phantom 4」シリーズのドローンを操縦していた。短時間の飛行後、ワシが「空中攻撃を仕掛けてきた」ため、同氏はドローンを呼び戻そうとした。
King氏は、ワシが飛び去ってドローンが行方不明になった直後の光景をドローンの追跡ビデオで目にした。King氏は映像を見て、「本当にひどいジェットコースターに乗っている時の光景みたいだった」と語った。近くにいたカップルは、ワシが何かにぶつかるのを見たとしていた。
広範囲にわたる調査にもかかわらず、ドローンは回収されなかった。飛行データは、ドローンが急降下し、岸から150フィート(約45.7m)離れた地点で凍えるようなミシガン湖の水中に墜落したことを示していた。
EGLEはドローンの最後の瞬間について、「ドローンの速度は瞬時に時速22マイル(約35km)から10マイル(約16km)に低下した。それから0.5秒もたたないうちに、ドローンが『過度の回転』の警告を発してきりもみ落下を始めたことを飛行記録は示している」と説明した。ドローンは、プロペラの1つが外れたという警告も発していたという。
EGLEはワシの攻撃を引き起こした原因について、ワシの縄張りを侵したせいかもしれないし、ワシがドローンを餌だと誤解したせいかもしれないと推測している。
EGLEのドローンチームは、再度の攻撃の可能性を減らすための手順を検討しており、別のデザインをドローンに採用することで、ドローンがカモメのように見えないようにするなどの方法が考えられているとEGLEは報告している。
ワシの攻撃に巻き込まれたドローンはこの機体だけではない。オーストラリアのオナガイヌワシは、鉱山会社が運営する一連の無人航空機を墜落させている。また、オランダの警察は、ワシを使って許可なく飛行するドローンを空中で撃退しようと検討したことがある。
EGLEはミシガン州自然資源局に、ワシに違反行為だと問うことができるかどうか問い合わせたが、広報担当者は「残念ながら、私たちにできることは何もない」とEGLEに語り、こう続けた。 「自然は残酷で容赦のない支配者なのだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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