Mira Robotics「ugo(ユーゴ)」のデモでは、人間が遠隔操作して行う立哨・巡回警備と、来訪者対応における検温や音声案内が行われた。警備業界はもともと人手不足だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、検温などの追加業務が発生したことによる“さらなる人手不足”に苦しめられている状況だという。
Mira Roboticsの松井氏は、「withコロナ時代に向けて、現場に行かなくても働ける、新しい働き方を提案したい」と話し、エッセンシャルワーカーと呼ばれる生活必須職従事者がリモートも組み合わせて働ける社会の実現に意欲を見せた。
ugoには、上方に伸びたポールに2つ、ロボットの帽子に1つ、カメラが搭載されており、360度撮影が常時可能だ。遠隔操作は、この映像を見ながらコントローラーで行う。
来訪者対応では、検温させてくださいと遠隔通話で呼びかけ、ugoがアームで掴んだ計測機器を来訪者の手首付近にかざした。数秒で測定して「36.2度です」と体温を読み上げた。また、人間の警備員と立哨警備を交代するシーンの実演は、本番さながらだった。
ugoは、ロボットの胸のあたりにDepthカメラ、前方下部に常時回転する2Dライダー、下方四隅と前方下向きにレーザーを搭載しており、定型ルートの自律移動や障害物回避も可能だ。アームを備えていることで、エレベーターのボタンを押して移動もできる。
ugoのデモでは、「お手洗いはどこですか」などの問いかけにも、遠隔通話で応答した。また、ロボット後部にあるスクリーンにはさまざまな情報や広告も表示できるという。Mira Roboticsは、ビルメンテナンスを手がける大成と、品川シーズンテラスでugoを3台活用したビル警備の実証実験も手がけている。モニター1台とコントローラー1機を用いて、1人で複数台のugoを同時に遠隔操作できるシステムも構築されており、さらなる省人化に寄与したい構えだ。
今回の実証には、警備業務を担当する京急サービスとビル管理業務を担当する京急ビルマネジメントも参加しており、現場の業務でどのようにロボットを活用できるか、ロボットが仕事をしやすくするためにはオペレーションをどのように変更できるかなど、現場の働き手との話し合いが必要な場面でも意見交換できることが、スタートアップ側にとっても大きなメリットになっている。2020年度内の実装に向け、今後も具体的な取り組みが加速しそうだ。
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