最近はカメラモジュールが大型化して目立つようになってきたため、レンズも以前より、ひびなどの傷がつきやすくなってきた。
「光学性能と耐久性の両方を改善するために、各社が(カメラに)どんなガラスを使っているか、そして表面処理や複合素材によってそのガラスをどう保護しているかが、もっと重視されるようになるだろう」。Bayne氏はそう話す。
カメラの修理には、画面の修理と比べて高いとまでは言わないまでも、同じくらい費用がかかる。にもかかわらず、スマートフォンメーカーが採用してきたのは、最新のGorilla Glassではなく、サファイアなど耐久性がやや劣る素材だ。ただし、サファイアは引っかき傷に対しては耐久性が高い。
Bayne氏はさらにこう説明する。「カメラレンズの保護に使われる素材は、おそらく選択肢が広がっているのだろう。だが、最終的には最適解に落ち着き始めると考えている」
スマートフォンが5Gに向かうにつれて、ガラスの使用がもっと普及するかもしれない。例えば、金属はアンテナに干渉する可能性があるうえ、ワイヤレス充電にも妨げとなる。一部のスマートフォンの周囲に使われている金属フレームでさえ障害になるので、メーカー各社はそれを薄く、あるいは完全に排除しようと試みるだろう。
「外側のガラス筐体は、2枚のガラスを合わせたものになる可能性も、1枚ガラスだけになる可能性もあって、解決するのは難しい問題だ」(Bayne氏)
5Gに干渉しない選択肢としては、プラスチックもあるが、ガラスほど熱処理がうまくいかない。スマートフォンを保護するはずのプラスチック製ケースでさえ、過熱の原因となる可能性がある。
Gorilla Glass Victusには採用されていないが、CorningはノートPCやATMといった端末に向けて抗菌ガラスも製造している。既にケースメーカーのOtterboxと提携して、抗菌型の画面保護フィルムの提供も始まった。
Bayne氏によると、このガラス製品は現在、新型コロナウイルスを防げるかどうかテスト中だという。その性能が実証されれば、スマートフォンメーカー各社が端末に搭載する可能性がある。
Gorilla Glass Victusの折り曲げ可能なモデルが今すぐに登場する見込みはない。だが、数年前に米CNETが同社を訪問して見せてもらった折り曲げ可能なガラスは今も開発が続いている。2020年中には間に合いそうにないものの、Bayne氏によれば、Corningは既に今後の折りたたみ式スマートフォンに実装すべくメーカー各社と協力体制にあるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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