Elliott Managementは今回のハッキングについてコメントを控えた。Twitterも、Dorsey氏のリーダーシップに関するコメントは避けており、同氏へのインタビューも実現しなかった。今回の攻撃は、内部ツールにアクセスできるTwitter従業員がハッカーに狙われた結果の可能性があるとTwitterは発表している。およそ130のアカウントが標的になった。報道によると、この事件は米連邦捜査局(FBI)が捜査中であるという。
だが、このハッキングによって、Dorsey氏がいやおうなくTwitterに専念するようになる可能性はある。
「Dorsey氏の立場は、常にやや不安定だった。2つの企業のCEOを務め続けるというのは、かなりハードなことだ。今回の事件では、注意が分散していたという点で(Twitterの評価よりも)同氏の個人的な評価の方が損なわれるだろう」と、ハーバードビジネススクールで経営学を教えるDavid Yoffie教授は話している。
Dorsey氏は以前、TwitterとSquareで職責を兼ねていることについて自己弁護したことがある。「私のスケジュールには、最も重要なことに注力できるだけの柔軟性を持たせてある。どちらの会社でも、何がクリティカルかという点を十分に理解している」。3月に開かれたMorgan Stanleyのイベントではこう発言していた。
ノーザンイリノイ大学ビジネスカレッジのChristine Mooney教授によると、Dorsey氏は役員会の支持を保っているようだが、15日に起きた不正アクセスのように目立った事故があれば、取締役らは少なくとも変化を考えるようになる可能性があるという。
「取締役会が評価を下さなくてはならない事案だ」「同氏がどちらか一方の会社に専念していたら、これは防ぐことができたのだろうか」(Mooney教授)
だが、Dorsey氏にとって明るい面もある。7月27日には、Facebook、Google、Apple、Amazonの各CEOが、反トラストをめぐって下院司法委員会で証言することになっている。Twitterは、ほかの4社のように反トラスト関連で同様の批判を受けていないため、証言には呼ばれていない。議会での尋問の主題は市場での影響力についてだが、政治家たちがほかの話題、例えば選挙における健全性、政治的バイアス、プラットフォームのセキュリティといったことに転じることは間違いないだろう。
今回のハッキングがあっただけに、Dorsey氏はほかの巨大IT企業と並んで証言に立たずに済むことで、ひときわ胸をなで下ろしているかもしれない。2年前には逆に、2度の公聴会に出席しており、今後いつか、15日のハッキングについて議会による追及を受けることもあり得るからだ。
「Dorsey氏の立場としては、出席しなくて済むのは幸いというところだろう」。ハーバードビジネススクールのYoffie教授もこう指摘している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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