Facebookは米国時間7月8日、同社の慣行とポリシーについて独立監査人がまとめた報告書を公開した。報告書の中で監査人は、同社のプラットフォームに改善が見られた一方で、Facebookは「いら立ちと落胆を招く決断」を下し、そのために「公民権の深刻な妨げとなる事態が現実社会にもたらされている」と指摘した。
89ページに及ぶこの報告書は、Laura Murphy氏やMegan Cacace氏といった公民権の専門家が中心となり、Facebookの協力を得て作成された。この報告書の中で、Murphy氏らは公民権に関する課題への対処について、Facebookの姿勢に疑問を呈し、同社のアプローチを「あまりにも受け身で断片的」だと評している。改善された点もあるが、Facebookの変化のペースや範囲は、差別、オンラインに表出するヘイト、多様性の受け入れといった問題に対処するには不十分だというのが著者らの見解だ。
「表現の自由と両立させながら、平等を推進し、差別と戦う取り組みを強化するようFacebookに求める活動に長年関わってきた公民権擁護コミュニティーの多くが、落胆し、いら立ちを覚え、怒りを感じている」と、Murphy氏は報告書の序文で述べている。「最終報告書が公開される今、一部の人々がFacebookに対して感じている不満は、同社の設立以来、そしてもちろんこの公民権監査が2018年に始まって以来、最も高いレベルに達している」
この最終報告書が公開される前日には、最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏を含むFacebookの幹部が、高まりを見せているFacebook広告のボイコット運動を主導する人権活動家らとオンラインで会談した。だが、ボイコット主導者らはこの会談の結果に「失望した」と述べ、Facebookがヘイトスピーチに対抗するために十分な対策を講じていないとの懸念を示した。
最高執行責任者(COO)のSheryl Sandberg氏は報告書の公開を伝えるプレスリリースの中で、この監査は同社の取り組みの終わりではなく始まりを示すものだと述べた。
「こうした問題をすぐに解決する方法はなく、あるはずがない。(中略)徐々に明らかになってきたのは、まだ先は長いということだ」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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