「Windows 10 2004」、「記憶域スペース」で不具合

Liam Tung (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2020年06月19日 12時21分

 Microsoftは、「Windows 10バージョン2004」(May 2020 Update、20H1)をインストールすると、RAIDに類似した同社のデータ保護のための技術「Storage Spaces」(記憶域スペース)が誤動作する可能性があることを認めた。

 同社は、マシン構成がこのバグの影響を受けると判断された場合は、Windows 10 2004への更新時に、互換性に関する警告メッセージが表示されるかもしれないと、Windows 10ユーザーに警告している。

 Storage Spacesは、複数のドライブを持つシステムをサポートする「Windows」と「Windows Server」の機能だ。ユーザーは複数のドライブを1つの記憶域のプールにまとめ、データをドライブの障害から守ることができる。

 Microsoftのサポートページによれば、「Storage Spacesを使用しているデバイスは、Windows 10のバージョン2004(May 2020 Update)およびWindows Serverバージョン2004に更新後、Storage Spacesの使用やアクセスで問題に遭遇する可能性がある」。

 「一部の構成によっては、『Disk Manager』でStorage SpacesのパーティションがRAWとして表示されることがある」(同社)

 Microsoftはこの問題の影響を受けるデバイスで、「chkdsk」コマンドを実行しないように忠告している。

 このStorage Spaceの不具合については、先週よりMicrosoftの「Feedback Hub」に複数の報告が寄せられている。

 ユーザーが機能アップデートをインストールした後に、Storage Spacesの管理インターフェースを使用しようとすると、いくつものエラー報告が表示されたという。

 また、Storage Spacesで、ストレージを効率的にアーカイブする機能のパリティースペースで、パーティションやファイルが破損したという報告もある。

 あるユーザーは、「20TBのパリティーストレージスペースがRAWで、アクセスできるファイルがないと表示される。Storage SpacesのツールとPowerShellは、データがあり、問題なしと表示する。ReFSパーティションが破損しているようだ」と記している。

 Microsoftは、現時点でこの不具合に関する回避策はないとし、システムがストレージパーティションに書き込みを行わないように、Storage Spacesを読み込み専用にする方法を提示した。

 Microsoftによれば、「デバイスは使用でき、RAWと表示されないボリュームは読むことができるはずだ」。

 同社はこの問題を調査中で、詳細がわかった時点で最新情報を提供するとしている。Windows 10バージョン2004の既知の問題を公開するページには、ドライバーの互換性に関する未解決の問題などが記載されているが、このStorage Spacesの不具合はリストされていない。

 ドライブを読み込み専用にするには、「スタート」から「powershell」と入力し、「Windows PowerShell」を右クリックして、「Run as administrator」(管理者として実行)を選択。そして、Windows Powershellの「User Access Control」(ユーザーアクセス制御)のダイアログが表示されたら、「はい」を選択する。「get-virtualdisk | ? WriteCacheSize -gt 0 | get-disk | set-disk -IsReadOnly $true」のコマンドを入力する。

 これにより、Storage Spacesは読み込み専用に設定される。書き込みができなくなるが、デバイスはそのまま使用でき、RAWとして表示されないボリュームは読み込めるという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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