続いて、関西学院千里国際中等部・高等部の岡本竜平先生が、自校のGoogle for Education活用について紹介した。関西学院千里国際中等部・高等部(SIS)は、関西学院大阪インターナショナルスクール(OIS)と同じキャンパスで学んでいる。一部の授業は一緒に行うが、基本的には2つの学校が1つの敷地内にある形だ。
SISでは、中1〜2ではChrome Bookを1人1台で160台、STEM教育(主に理科)にはiPadを50台、Windowsを50台備えている。学年が上がるにつれ、BYODへと移行していく。OISではChrome Bookを朝学校で使用して夕方返す使い方をしている。こちらも学年が上がるとBYODへと移行するという。
しかし、これはこの4月からの計画で、今回のコロナ禍で家で端末を用意できない家庭も出てきてしまったため、学校のChrome Bookを貸し出して対応しているとのことだ。
SISでは、ずっと画面を見ているわけではないとの理由で、オンライン授業ではなく「Distance Learning」と呼んでいる。4月からは、通常の時間割をClassroomで行っているという。
4月29日にはオンラインで授業参観を実施した。「私の授業では、せっかくなので保護者にも授業に参加してもらった。保護者からも非常に評判がよかった」と岡本先生は振り返る。
また、実験などができないため、絵本を作るという作業で学びを深めた。個別学習になりがちな状況でも、交流を持たせるため、4人ずつのグループにし、先生はあちこちをのぞいてまわり、指導したとのことだ。生徒たちはグループワークにより、グループ内での役割が与えられることで責任感が生まれると話してくれたそうだ。
また同校では、5月23日にはオンライン学園祭を実施した。学園祭「Film Festival」は、生徒主体で新しい形式で行ったとのことだ。
今学期は「Distance Learning」を継続することに決定したという。画面をずっと見ていることがつらいという生徒の声もあるため、長時間にならないように配慮を重ねているとのことだ。また、オンラインでの保健室やカウンセリングルームも開設しているという。
岡本先生は、「それぞれの学校で状況が違うので、本校にとって適切な方法を考えることが大事だと思っている。教員一人ひとりがしっかりと自分のように向き合って実践しているため、本校はうまく回っている」と、オンライン化が高評価を得ている理由を述べた。
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