遅々として進まない、破綻しかけている、誰が何をやっているのか分からないプロジェクトの数々。大体思い当たるプロジェクトが1つや2つはあるだろう。キックオフミーティングは自己紹介で終わり、何のために集まったのか分からず、誰がどこから何を始めるのか分からないまま。定例会議も時間の無駄でしかない。そんな状況にうんざりしている人に本書はうってつけだ。
本書では、そのようなプロジェクトの問題点を示すとともに、どのようなプロジェクトにも応用できるツールとして、「プロジェクト譜」(略して「プ譜」)を推奨している。プ譜とは、「あらゆるプロジェクトが必ずもっている共通の構造をシンプルに表現する方法」とのことで、プロジェクト管理のための特別なソフトウエアがなくても書ける(指定のURLからPowerPointかPDFでダウンロード可)。
プロジェクト管理に関する本はたくさんあるが、説明が多すぎて分かりにくいことが多い。しかし本書は、非常に簡潔な表現で書かれている上、ハイライトやポイントが適切に配置されているため、忙しくて時間がない中でも、読むのが苦にならない。プロジェクト管理者でなくとも、プロジェクト進行の技術を学ぶことで、自身の仕事の目的がはっきりし、より主体的に動けるようになるのではないか。
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