2019年5月、Googleは「Pixel 3a」と「Pixel 3a XL」を発売した。これらのモデルは、より手頃な価格帯に投入された初めての「Pixel」スマートフォンだった。Googleは手頃な価格だった往年の「Nexus」の時代に回帰したのかもしれない。Pixel 3aは、フラッグシップモデルの「Pixel 3」よりも数百ドル安く、ワイヤレス充電や耐水性といった一部の重要な機能が削られていた。だが、低価格でPixelスマートフォンを使ってみたいと考えていた「Android」ユーザーにとっては、有力な選択肢として残った。
この戦略的な動きは奏功し、Pixel 3aのおかげで、GoogleのPixelの販売台数は2019年夏までに2倍に増加した。それを考えると、Pixel 3aシリーズの後継モデル(おそらく「Pixel 4a」「Pixel 4a XL」という名称になるはずだ)が近いうちに発表される可能性は高いとわれわれは予想している。Googleは「Android 11」のベータ版を発表する際に、その機会を利用してPixel 4aを発表する可能性もある。さらに、Googleの競合各社は独自のミッドレンジスマートフォンをすでに多数発表している。4月だけでも、Appleが399ドルの新型「iPhone SE」を発売し、サムスンもミッドレンジの「Galaxy A」シリーズの次期ラインアップを発表。Motorolaも300ドル以下の「Moto G Power」と「Moto G Stylus」を発売している。以前にも増して、スマートフォンメーカーは、予算の限られた人々をターゲットにするようになっている。このユーザー層は、魅力的なミッドレンジモデルがなければ、今のスマートフォンをもう1年使い続けるかもしれない。
Googleが予想どおりPixel 4aと4a XLを発表してくれることを期待して、本記事では、これらのモデルについて、最も理にかなっており、興味深いうわさの数々をまとめた。
2019年のPixel 3aは399ドル(日本では税込4万9500円)、3a XLは479ドル(同6万1160円)だった。Googleが2020年のPixel 4aでそれと同じ価格モデルを採用したとしても、驚くには当たらない。理由は2つある。第一に、特に予算重視のユーザーをターゲットとするデバイスを値上げするのは、戦略として合理的でない。第二に、主要なスマートフォンメーカーは、399ドルを妥当な価格とみなしているように思われる。例えば、Appleの新型iPhone SEは399ドルで、サムスンの最新のGalaxy Aシリーズで最も先進的なモデルである「Galaxy A51」も同様だ。テクノロジー情報のリークで知られるEvan Blass氏が投稿したモックアップの広告板にも399ドルという価格が記載されている。
さらに、9to5GoogleのStephen Hall氏はPixel 4aの価格について、Pixel 3aよりもさらに低価格の349ドル(約3万8000円)からになるとツイートした。これが本当なら、Pixel 4aはiPhone SEのより強力なライバルになり、より多くの予算重視ユーザーの関心を引くことができるだろう。
Googleは通常、年次開発者会議「Google I/O」を5月に開催し、そこで最新のモバイルOSを発表する。だが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、2020年は実際に人が集う形式のこのイベントが中止になった。代わりに、同社は6月3日にオンラインイベントでAndroid 11のベータ版を披露する予定だったが、米国で黒人男性が白人警官による拘束中に死亡した事件をきっかけに暴動が発生していることを受けて、これも延期された。このイベントが今後開催されれば、Googleは2019年のGoogle I/OでPixel 3aを発表したように、そのイベントでPixel 4aを発表するかもしれない(予想される発表時期については、後で詳しく解説する)。
楽観的に考えれば、Pixel 4aは最初からAndroid 11の完成版を利用できる状態で出荷される可能性があるが、それは時間的に厳しいかもしれない。代わりに、発売時にはAndroid 10を搭載したPixel 4aがユーザーに提供され、後でAndroid 11にアップデートされる可能性がある。2019年には、Pixel 3aとAndroid 10の3番目のベータ版がGoogle I/Oで同日に発表されたが、Pixel 3aには、2018年に一般向けにリリースされた「Android 9」が搭載されていたため、この予想は理にかなっていると言えるだろう。
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