日本中の長い自粛生活によって、新型コロナウイルス感染者数が大幅に減少した。それにともない、いよいよ全国で緊急事態宣言が解除され、6月1日からはすべての学校が段階的に再開する見込みだ。
筆者の居住地からも、正式に学校再開の通知がきた。子どもも4月頭に2時間だけ登校して以来、久しぶりの登校や友だちと会えることを楽しみにしているようだ。同じように感じている児童・生徒は多いだろう。
現状、SNSの「#学校再開」「#分散登校」などのハッシュタグには、久しぶりにクラスメイトや友だちと会えた喜びが感じられる投稿が多数ある。学校再開を前にした児童・生徒や保護者の様子を見ていきたい。
3月頭から、長い子どもは約3カ月に渡る休校となった。この間に一番のストレスだったのは、感染のリスクや家からろくに出られないストレスもあるが、学校に行けないことだっただろう。学習が遅れるという問題もあるが、それ以上に単純に学校に行けないことや友だちに会えないことがつらかったのではないか。
TikTokはとてもわかりやすい。「#学校再開」は400万再生、「#分散登校」は8万5000回再生となっているが、気持ちが伝わってくる動画が多数投稿されているのだ。投稿は、中高生自身による制服姿の自撮りのダンス動画が多い状態だ。
「久しぶりに会えて嬉しかった」「学校再開楽しみ」などのコメント付きで、友達同士で踊る動画が多数投稿されているのだ。「#分散登校」には、「分散登校にしたら会えないじゃん」と、会いたい人と投稿日や登校時間がずれたことを悲しむ投稿も見られる。
すでに登校している生徒は、学校に来られた記念にと、教室や机、学校の建物の前など、学内で撮った動画を続々と投稿している。その多くは制服姿であり、中には学校の指定ジャージ姿のものもある。授業中などはマスクをかけていたことを思わせる、顎にマスクをかけたままの子も目立つ。
Instagramには、「#学校再開」は5800件、「#分散登校」は約6000件ほど投稿されている。こちらは、主に保護者らしき人の投稿が目立つ。ランドセル姿の小学生の写真は特に多く、初登校を喜ぶものも多い。その多くには、長い休校を家族で乗り切った喜び、学校に行ける喜びがあふれている。
ほかには、中高校生の子ども用の弁当写真、制服姿の写真などが多い。中高生自身が友だちと写っている写真もある。どれも「友だちに会えて嬉しかった」「久しぶりに学校に行けて嬉しかったようです」などと友だちと会えた喜びにあふれている。
なお、Twitterでは、緊急事態宣言解除直後から、「学校再開」関連の投稿が一気に増えている。こちらには保護者や中高生などの本音が垣間見える。「自主休校している」「学校に行くのが不安」「自主休校はクラスで1人だった」という人もいる一方で、学校再開への楽しみと不安が感じられる投稿が多い。
「学校再開だから、たまった宿題やらなきゃ…」「学校再開はいいけど、起きれるか心配笑」「分散登校で友だち作れるか心配。元クラスの子とは登校日が分かれそう…」「過去で一番学校再開を喜んでる。嬉しい!!!!」など、さまざまな本音が垣間見える。
学校再開は、当初2週間ほど分散登校となり、その後通常通りの登校となっていくようだ。組の奇数偶数や出席番号などで分かれて、午前組・午後組となって登校する学校や、隔日で交互に登校させる学校などもある。
学校は再開したが、日常とは遠い投稿も多い。「#フェイスシールド」は、現状で5000件以上登校されている。美容師などがフェイスシールドをつけて施術しているほか、フェイスシールドをつけて授業を受ける学校もあるようだ。
殺菌力があることで知られる「#次亜塩素酸水」も、2万7000件投稿されている。なお、次亜塩素酸水を空気中に噴霧することは人体への影響を懸念する声が出ているので、注意してほしい。
感染者数は減ったとはいえゼロではないし、まだまだ完全な日常は遠く、心配なことは多い。しかし、ここまで感染者数を減らせたのは国民一人ひとりが「Stay Home」をがんばった結果であり、誇っていいだろう。学校再開は、子どもと保護者にとって大切なステップだ。3密を避け、感染防止に努めながら、徐々に日常を取り戻していきたい。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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