ハッカー、セキュリティ研究者、リバースエンジニアからなるチーム「Unc0ver」が米国時間5月23日、「iOS」デバイス向けの新たなジェイルブレイク(脱獄)パッケージをリリースした。
Appleはセキュリティの観点から、「iPhone」をはじめとするiOSデバイスのデフォルト設定で、ユーザーに完全な権限を与えないようにしている。
Unc0verは23日、ジェイルブレイクソフトウェアの最新版「Unc0ver 5.0.0」をリリースした。このパッケージを使うと、iOSの最新版「iOS 13.5」を実行するデバイスを含むほとんどのiOSデバイスをルート化し、ロック解除することができる。
こうしたことが可能になるのは、Appleが認識していないiOSのゼロデイ脆弱性をUnc0ver 5.0.0が利用しているからだという。
そのゼロデイ脆弱性は、Unc0verのメンバーの1人(Pwn20wnd氏として知られる)によって発見された。同氏によると、今回のリリースは、この約5年間で初めて現行版のiOSをルート化できるジェイルブレイクパッケージだという。
#unc0ver v5.0.0 will be the first 0day jailbreak released since iOS 8!
— Pwn20wnd (@Pwn20wnd) May 23, 2020
Every other jailbreak released since iOS 9 used 1day exploits that were either patched in the next beta version or the hardware.
This will be a big milestone for jailbreaking.
これまでのジェイルブレイクでは通常、古い脆弱性が利用され、最新版のiOSでは機能しなかった。ジェイルブレイクを試したい場合、デバイスのOSを古いままにしておく必要があった。
この新しいUnc0ver 5.0.0は、「iOS」「macOS」「Linux」そして「Windows」デバイスで利用できる。
Unc0verのチームによるとUnc0ver 5.0.0は、iOS 11~iOS 13.5のうち12.3~12.3.2および12.4.2~12.4.5には対応していない。
セキュリティ専門家は通常、iOSデバイスのジェイルブレイクを推奨していない。ジェイルブレイクにより、デバイスがマルウェアなどの攻撃に対して脆弱になるためだ。一方Pwn20wndはこの新たなUnc0verパッケージについて、iOSのセキュリティ機能を維持し正常に動作させるため、従来のジェイルブレイクとは異なると主張している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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