日本マイクロソフトが、5月12日から発売した「Surface Go 2」は、長期化するリモートワークに適したデバイスの1つとして選択することができそうだ。
Surfaceファミリーのなかでは、エントリーモデルに位置づけられるSurface Goシリーズは、小型軽量の特徴を生かして、外に持ち運んで利用したり、2台目のPCとして利用したり、あるいは教育分野での利用を想定した訴求が中心だった。
今回のSurface Go 2もそうした用途におけるメリットを追求したものになっているが、それに加えて、昨今、増大する在宅勤務に適したデバイスとしても進化を遂げたものになっている点が見逃せない。
たとえば、ビデオ会議を行ったことがある人ならば、相手の音声が鮮明に聞こえなかったり、映像の表示が暗かったりといった経験があるはずだ。もちろん、そこには、家庭の通信環境が大きく影響しているのは確かだが、デバイスの性能を整えておくことが、リモートワークを行う上では大切であることを実感している人も多いだろう。
Surface Go 2では、前面には5メガピクセルのカメラを搭載し、暗い場所でも鮮明な映像で撮影。上位モデルで採用している「Dual far-field スタジオマイク」を、今回、同製品で初めて採用したことで、2つのマイクにより音声がさらにクリアになったほか、バックグラウンドノイズも低減。在宅でのビデオ会議やビデオチャットにも適した進化を遂げている。
さらに、従来からの小型軽量というデザインコンセプトを継承。544gの軽量化を実現するとともに、ベゼル部分を22%狭くしたことで、高さ175mm×幅245mm×厚さ8.3mmというサイズはそのままに、従来モデルの10インチよりも大きな10.5インチの「PixelSenseディスプレイ」を搭載。「スペック上は0.5インチだけの広がりだが、体感上は、かなり画面が大きくなったと感じることができる」(日本マイクロソフト Surfaceビジネス本部本部長の小黒信介氏)という。
家庭内での持ち運びも楽に行え、2in1デバイスであることから、タイプカバーを取り外して、タブレットとして利用したり、ペンによる操作や書き込みも可能だ。
また、第8世代のIntel Core Mを選択できるようにしたことで、従来のモデルよりも、最大で64%のパフォーマンス向上を実現したという。さらに、「企業向けモデルでは、256GBのSSD搭載モデルを新たに用意。メインモデルとして利用できるようにしており、リモートワーク環境でもしっかりと使ってもらえるような性能進化を遂げている」(小黒氏)と自信をみせる。
そして、Wi-Fiへの対応だけなく、LTE Advancedをオプションで用意。Wi-Fiの環境がなかったり、自宅でのネットワークの接続環境が悪い場合にも、これを活用して、ストレスなくつなげることが可能になる。「企業にとっては、社員の在宅勤務時にも、最適なネットワーク環境を割り当てることができる」とする。
Surfaceの利用時に気になるのが、タイプカバーの打鍵音だ。ビデオ会議中に、打鍵するとマイクが音を拾ってしまって、うるさくなるという課題もあるが、日本マイクロソフトでは、「タイプカバーをチルトせずに、机にベタっとつけた形にすると打鍵音が静かになる」(日本マイクソロフト 業務執行役員コンシューマー&デバイス事業本部マイクロソフトデバイス戦略本部本部長の水田琢也氏)といった使い方も示してみせる。
一方で、価格も魅力のひとつだ。Surface Go 2 の価格は一般向けが5万9800円~、法人向けでは5万2800円~(いずれも税別)となっているほか、Core M搭載の一般向けモデルでも10万円以下で購入できる。
米国では、最低価格が399ドルからという設定になっており、単純に為替レートに換算すると、日本での割高感が感じられる。だが、日本で主軸にしているのはOffice 2019を搭載した製品である点に注目しておきたい。
実際、これまでのSurfaceシリーズ全体の販売実績を見ても、日本では、Officeをプリインストールしたモデルが販売の中心だ。これは海外にはないSKUとなっている。
ちなみに、Office Home&Business 2019の単体税別価格は3万4800円。それを含めて5万9800円という価格設定からすれば、日本での売れ筋となっているOfficeプリインストールモデルは、それほど割高感がないといえる。
そして、Surface Go 2は、在宅勤務以外にも効果を発揮する。「リモートワークは、在宅勤務だけではない。新型コロナウイルスの終息後には、在宅以外でのリモートワークが広がったり、東京オリンピック開催時のリモートワークの活用も想定される。そうしたシーンでもSurface Go 2は有効である」(水田氏)とする。
さらに、「Surface Go 2は Surfaceファミリーのなかで、最も小型軽量のモデルであることから、教育や医療、店舗などでの現場業務におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめ、さまざまな業種や職種での採用のほか、学生やモバイルワーカー、子供がいる家庭など、幅広いワークスタイル、ライフスタイルを支援することができる。日本の新しい生活様式にも柔軟に対応できる」と語る。
これまでにも、三井不動産リアルティが、LTE対応のSurface Goを5000台以上導入し、オフィスだけでなく、外出先や在宅勤務時でも利用する環境を整えたり、愛知県教育委員会が1万1500台のSurface Goを、全教員向けに配備することを決定し、授業におけるICT活用推進と情報セキュリティを強化したりといった活用例があり、こうした提案がさらに加速するほか、今後、Surface Go 2をGIGAスクール構想向けに提案したり、家庭学習にも適したデバイスとして提案することも視野に入れている。
「小学生がランドセルに入れるデバイスとしては、10インチのSurface Go 2が適している。また、一般的なペンは14cmだが、子供に最適化した長さ11cmのMicrosoftクラスルームペンも用意している。小学生が利用するにも最適なデバイスになっている」と語る。
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