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リモートワークと#iPadOnly (1):自分の中の当たり前を変える最後のチャンスかもしれない

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 2020年3月に、iPad Proの新モデルが登場した。同時に世界は新型コロナウイルスの流行によって、企業はテレワークへの移行を急ぎ、大学などの教育機関はオンライン学習への転換を進めている。

 今回のシリーズでは、リモートワークを前提とした #iPadOnly、すなわちiPadをメインコンピュータとして仕事や学習などを進めるための方法と実践について、考えていきたい。

 一方、今回の感染症流行とは別の文脈で、iPadのみでコンピューティングをこなす「#iPadOnly」が立ち上がってきた。2019年にiPadOS 13がリリースされ、それまでiPad上の制約となっていた外部ストレージ活用が可能となるなど、「より普通のパソコン」に近づきつつあったことも背景にある。

個人的な#iPadOnly 体験

 筆者は、リモートワークが前提になるまで、iPad Pro 12.9インチで9割の仕事をこなしていた。ほとんど外出先で仕事をするようなスタイルになってきて、結局自宅でもiPad Pro。現地で写真やビデオを編集する可能性がある海外を含む出張も、Macを持ち出さなくなってしまった。

 2016年に9.7インチiPad Proが登場したとき、自分の仕事にiPadを取り入れ始めた。それまで、15インチのMacBook Proをどこにでも持ち歩いて仕事をしてきたが、コンパクトでキーボードが利用できるSmart Keyboard Coverが登場したことから、外出する際のコンピュータをiPad Proに切り替え始めたのがきっかけだ。

2016年に9.7インチiPad Proが登場
2016年に9.7インチiPad Proが登場

 当時、できることはMacより限られることは承知していたが、なにしろ2.56kgだったMacBook Proが、およそ700gにまで軽量化されること、そして10時間バッテリーがしっかり持続することもあり、一緒に持ち運ぶアクセサリ類も驚くほど軽くなった。カバンの重さが軽くなった事で、身軽になり、肩こりも軽減した。

 筆者の場合、取材や原稿など、タイピングが重要な仕事が多く、これに加えて写真やバナー画像作成などが加わってくるので、キーボードがある程度快適に利用でき、例えば最悪でもKeynoteレベルのスライド編集アプリがあれば、仕事ができるという事情もある。

 そのため、2016年当時は、iPad Proはモバイル向け、MacBook Proがメインマシン、という意識が強かった。

 その後、2017年にiPad Pro 10.5インチへと画面サイズを拡大させ、結局デザインが刷新された2018年に12.9インチiPad Proへと乗り換えた。画面サイズが大きくなってキーボードもより打ちやすくなり、Adobeは写真編集用のLightroom CCに加え、画像編集のPhotoshop CCまで、iPad向けにリリースした。

 こうして、iPadは筆者の大半の仕事を、もともと使っていたアプリの面でカバーすることができるようになり、MacとiPadのコンピュータとしての主従が逆転するに至ったのだ。

マインドセットは「ゼロベースから」

 新型コロナウイルスによって、急速にテレワーク化を進めていくことが求められるようになった。

 LINEと厚生労働省は、国内約8300万のLINEユーザーに対して、新型コロナウイルスに関連する全国調査を実施した。回答率はおよそいずれも約3割で日本の社会調査としても前例を見ない規模の調査となっている。

 全国でテレワークの導入は4月12-13日時点で27%。地域によっても差があることがわかってきた。職種によっては、テレワーク化が難しい職業もある。日本の就業人口の中で、テレワーク化が実現できそうな職業は事務従事者と専門的・技術的職業従事者の一部になると考えることができ、この2つを合わせると就業人口全体の37.1%だ(独立行政法人労働政策研究・研修機構、2019年平均値)。

 筆者は現在「情報経営イノベーション専門職大学」という東京都墨田区に新設される学校で、4月からのオンライン授業の準備をしている。緊急事態宣言でキャンパスそのものに学生はおろか教職員が集まることも避けるべき状況となる中、テレワークの実現にはさまざまな問題解決がつきまとうことを経験している最中だ。

 テレワークの実現には、いくつか乗り越えなければならないハードルがある。それは、今まで行ってきた仕事を、他の方法で代替する必要があることだ。つまりワークフローそのものが変化する可能性がある。

 一方現在テレワークに転換できている企業は、おそらく大きなワークフローの変化ではなかったはずだ。既にオフィスという場が、機材や設備に依存する業務や、人とコミュニケーションを対面で取ることに特化しており、業務効率化、オンライン化に投資してきた結果が現れている。そのことが痛烈にあぶり出されているのだ。

 それは企業という組織そのものはもちろんのこと、個人のワークフローや「仕事観」、仕事とはこういうものだという観念にも影響している。

 裏を返せば、新しい常識で仕事やその環境を再構築するチャンスだ。ライフステージで言えば、自分もしくは家族の結婚や出産以外に、なかなかきっかけを作ることが難しい、またとない機会なのだ。

 そうした前提を共有しつつ、#iPadOnly について今一度考えてみたいと思う。

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