4月13日時点で日本国内での新型コロナウイルスの感染者数は7000名を超えており、医療従事者は日々、最前線で患者の治療にあたっている。こうした医療機関向けに各社は、自社製品やサービスの無償化を相次いで発表している。ここでは、緊急事態宣言以降も利用できるものをピックアップしてご紹介しよう(4月13日時点。今後も随時更新)。
独自のグループ通話アプリとイヤフォンを組み合わせて30人までの音声グループコミュニケーションを実現するプラットフォームを展開するBONXは、新型コロナウイルスの対応に追われている医療機関向けに、法人向けコミュニケーションアプリ「BONX for BUSINESS」と、その際に必要となるコミュニケーションデバイス「BONX Grip」を、感染拡大が終息するまで無償で貸与すると発表した。
BONXのウェブサイト右下に配置されいてる「今すぐ無料でお試し」ボタンから登録できる。先着20医療機関限定で、1医療機関あたり最大50台を無償貸与するとしている。それ以降については、貸出台数は1機関あたり10台まで。11台目以降は有償で1台当たり月額2223円となる。
同社によれば、BONXはすでに多くの医療機関で利用されており、たとえば昭和大学江東豊洲病院では、院内での緊急手術中の手術室と指令室の間でのコミュニケーションを円滑にハンズフリーで実施しているという。スマートフォンとネットワークがあれば、遠隔でのグループコミュニケーションが可能になることから、新型コロナにおいても医療従事者同士の近距離での接触を防げるとしている。
スマートロックサービスを提供するフォトシンスは、新型コロナウイルスの対策にあたる医療機関を支援するため、「Akerun入退室管理システム」の無償貸与を発表した。最大1000台の同システムを、9月末まで無償で貸与する。
Akerun入退室管理システムは、既存のドアに後付けで導入できる入退室管理システム。サムターン錠に対応した「Akerun Pro」と、電気錠/電磁錠や自動ドアに対応した「Akerunコントローラー」をドアに後付けで導入し、スマートフォンアプリやICカードで施錠・解錠ができる。顔認証システムと連携し、キャッシュレス決済や生体認証によるセキュリティ強化も可能だ。
同社によれば、医療機関において、導入後すぐに、施設での特定区域の出入制御や、特定個人の入退室履歴の管理などに活用ができ、ウェブ上の管理画面から、施設内の特定区域に誰が入退室したかなどをリアルタイムで確認できるとしている。
無償貸与の対象となるのは、新型コロナウイルス感染症対策に取り組む医療機関などで、新型コロナウイルス感染症の検査を実施している機関や感染症患者を受け入れている機関を優先するという。ウェブサイトより5月末日まで申し込みが可能だ。
パーソナル・コーチングサービス「mento」を提供するウゴクは、新型コロナウイルスと闘う医療関係者やその家族など200名を対象にオンラインコーチングを無償提供している。原則1名あたり2回(1回あたり60分程度)受けることができ、指定のビデオ会議サービスで実施する。利用期限は5月31日まで。
同社では、医療従事者は「急速に悪化するかもしれない状況に対しての感情的緊張と身体的疲労」「マスクや消毒剤など衛生材料が不足することによる院内感染への不安」「自身の家族や周囲への感染を引き起こしているかも知れないという恐怖」「感染を恐れる人々からの偏見や風評被害へのストレス」などを感じていると説明。
そうしたストレスや身体的疲労を感じている医療関係者などに対して、傾聴と対話のプロフェッショナルであるコーチとのセッションを通じて、少しでも精神的な負担を和らげ、医療関係者の心の健康の維持につなげたいとしている。
HealtheeOneは、新型コロナウイルスにより職員の勤務体制や経営管理体制に影響が出ている全国各地の病院に対し、保険医療機関の義務となっている施設基準を少人数で一元的に管理できる体制をクラウドで実現する「HealtheeOneコンプライアンス」を無償化している。
6月末日までに申し込むと、初期費用と月額利用料(最大6カ月間)を無償で利用できる「COVID-19 病院経営管理支援プログラム」を新たに提供している。同サービスの通常の初期費用は税別96万円、月額利用料は税別9万8000円となる。
導入作業は同社がフルサポートし、最短1週間で施設基準管理体制の再構築を実現するという。また日常の運用においてもクラウドシステム上で簡便に文書や情報を収集・管理し、施設基準管理状況をPC上で常時可視化できるとしている。
自宅で手軽に栄養検査ができる「VitaNote(ビタノート)」を提供するユカシカドは、新型コロナウイルス関連の対応に追われる医療従事者向けに、VitaNoteとサプリを無償提供する。申し込み期間は、4月17~24日。
VitaNoteは、尿で栄養の過不足を評価し、栄養状態の把握と適切な改善ができる検査キット。ビタミン・ミネラル・たんぱく質など15項目について過不足を測定できる。検査結果は、PC・スマホ・タブレットなどからマイページで確認でき、ユーザーごとに栄養改善の履歴・推移データをためることができるという。
支援者は、VitaNote Storeを経由して、商品を申し込むことで、本人と医療従事者のに、申込数分の検査キットが届く。また、医療従事者にはサプリも無償で提供される。栄養ケアを希望する医療従事者は、栄養検査支援応募フォームから応募できる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス