英当局が、新型コロナウイルス感染者と接触した(つまり自主隔離が必要な)人に通知を送る接触追跡アプリの導入を検討していると報じられている。
英Sky Newsは現地時間3月31日の記事で、英国国民保健サービス(NHS)のイノベーション部門であるNHSXが、米国企業のPivotalと連携してこのアプリを開発していると報じた。英政府が現在のロックダウン措置を緩和する際に、このアプリがリリースされる可能性がある。Sky Newsによると、このアプリを使用するにはオプトインが必要だが、NHSは人口の少なくとも50%がオプトインすることを望んでいるという。
NHSXの広報担当者は、「アプリベースの対策がコロナウイルスの追跡と制御に有効かどうかを検討しており、これをできる限り迅速に進めるために内外の専門家を集めた」と述べた。
このアプリは、Bluetooth信号を使って、近くにある他のすべての端末を匿名化して記録することによって機能する。アプリの使用者が後に新型コロナウイルス検査で陽性となった場合に、その人の近くにいたことのあるすべての人にそれを通知することで、それらの人々が自主隔離できるようにする。
人々がこのアプリを使い、自分自身に隔離が必要になった場合に他者に通知するようにすれば、英国で現在、1週間にわたって実施されている厳しいロックダウン措置は必要なくなるのではないかと期待されている。
感染が疑われる人を追跡することは、疾病の感染拡大を防ぐための一般的な手段だ。過去には例えば、エボラ出血熱の感染拡大を制御するために使われた。しかし、どのような種類のものであれ追跡技術を導入すると、プライバシーの問題が生じる可能性がある。NHSは、GPSではなくBluetoothを利用すること、アプリを監視するための倫理委員会を設けること、そして連絡先情報を中央データベースに定期的にアップロードしないことによって、そうした懸念に対処しようとしている。
シンガポールでは現在、「TraceTogether」という類似のアプリが使われており、アイルランドでも、このようなアプリが今後数日のうちにリリースされると報じられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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