13インチ「MacBook Air」の2019年モデルと、最新の2020年モデルとを並べてみよう。旧モデルより新モデルの方が、フラットなアイランドスタイルキーボードが、若干ではあるが高くなっている。
これは、新モデルでAppleの「Magic Keyboard」を採用したためだ。このキーボードは2019年モデルの16インチ「MacBook Pro」で初めて搭載され、「iMac」用のスタンドアロン版Magic Keyboardをベースとしている。
何よりも、この新しいMagic Keyboardが、最新のMacBook Airを成功させる決め手となっている。確かに、変更の大部分はApple自身が生み出してしまった問題を解決するものだが、特に999ドル(日本では税別10万4800円、以下同)からという価格と、コンポーネントの変更を考えると、最終的にはかなり満足のいく出来になっている。米CNETのEditor’s Choiceに選ばれる価値があると筆者が思うのもこれが理由だ。ただし、総合的に最も価値がある構成は絞られてくる。
MacBook Airが、ついに999ドルという昔の価格に正式に戻ったのは、うれしい大きなニュースだ。
ただし、気をつけなければならないのは、この999ドルという最低価格モデルのCPUが、この価格帯で想定されるIntel「Core i5」ではなく「Core i3」どまりということだ。その問題以外は、いい知らせが多い。CPUのアップグレードには、新しく、第10世代クワッドコアIntelチップという選択肢がある。デフォルトのストレージも、貧弱な128GBから、256GBという十分な容量になった。「Intel Iris」グラフィックスを搭載し、AMDやNVIDIAのハードウェアを追加することなくステップアップした。
かつては、筆者が13インチMacBook Airについて「購入できるなかで全般的に最も有用なノートブック」と表現した時代もあった。MacBook Airが、大学生の懐にもやさしい999ドルという価格に設定され、同じ価格帯で買える「Windows」搭載のどのマシンをも明らかに上回っていた頃のことだ。プロセッサーの速度では同等かそれ以上のマシンもあったかもしれないが、MacBook Airはスリムなアルミ製ユニボディの筐体と、ほぼ完璧なキーボードを備え、そしてOSにも(それほど)悩まされることがなかった。
だが、それも今は昔のこと。その後のMacBook Airは、他のノートブックが進歩していくなかで、そのデザインと大部分の仕様に頑迷に固執した結果、競合他社に後れをとることになった。2018年には、システムが待望のアップグレードを遂げて、画面の解像度もアップし、ベゼルが狭くなって、「Touch ID」が追加されている。だが同時に、ひどく不評を買ったバタフライキーボードを採用し、価格も上がってしまった。この価格変更が間違いだったと、筆者は常々思っている。999ドルというのは、心理的にも資金的にも大きな壁で、特に学生やライター、そのほか限られた予算内で最大の信頼性と有用性を求めるユーザーには重要なポイントなのだ。
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